同 居 男 女 ≪ Nozomu.K ≫

同居08. ページ8

あれからご飯を食べ終わってテレビを見て。

気づけばあっという間に夜になっていた。



別に小瀧と暮らすのはいうほど苦でもないが楽でもない。

これからの時間が私にとってとてつもなく地獄なのだ。







『小瀧さ、布団敷いて寝るのはいいけど私の近く来んといてな』


「何やねんいきなり、家狭いねんからそんなん言われても困るわ」



新しいベッドを買った私に対し布団を床に敷いて寝る小瀧。

そんな小瀧はベッドに近くに布団を敷こうとするもんだから憂鬱でしかない。






『ちょっと向こう行ってや、ほんまに嫌やねんけど！』


「はぁ？あっち行ったら寒いやんけ、俺を凍死させる気か？」



あっちこっちに動かされる布団。

少し文句を言ってやれば10倍の返事が返ってくるから小瀧は面倒くさい。






『恋する乙女の近くでわざわざ寝る意味！！』


「はぁ？お前好きなやつおんの？」



『そうやけど？それがどうしたん？』


「いや、お前に好きになられるとか可哀想やなぁって思って」



にやにや笑う小瀧に私のストレスはどんどん溜まっていくばかり。

藤井先輩はそんなん言う人ちゃうし、小瀧なんかと違って。






『小瀧のことほんまに嫌いになりそうやわ！！』


「それは奇遇やな、こっちもお前なんかの近くで寝たくないわ！」



ちょっと文句を言ってやればすぐ言い返してくるもんだからまたそれが腹立つ。

ずるずると私と一番離れた寒いところに布団を引っ張っていく小瀧。



そんな小瀧は"あぁ、寒い寒い"なんて言いながら布団の中に入り込んだ。






『ベッドは温かくて気持ち良くて幸せやわぁ』


「それはそれは良かったですね、ピンクのリボンの山村さん〜」



少し嫌味を言ってやれば小瀧からはまさかの返事が返ってきて。

何も言い返せず黙り込むと小瀧は嬉しそうにケラケラと笑っていた。





む、むかつく…こんなやつとこれからも一緒に過ごすん？

それも毎日？毎時間？毎分？毎秒？



そんなことを考えていると頭がおかしくなりそうでとりあえず布団の中に潜り込んだ。







おかしいな、同居する前は別に普通に仲良く話す"クラスメイト"ってだけやったのに。

小瀧と過ごす時間が増えるにつれて小瀧の嫌な部分がたくさん見えてくるし。



それにめっちゃ言い合いになるし私たちいきなり不仲になってるやん。







それもこれも全部"同居"のせいや！！









そんな思いを何とか落ち着かせながらそのまま眠りについた。

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