同居05. ページ5
「はぁああ?何それ?大ニュースやん?」
目の前で身を乗り出しながら驚いている理絵。
私は疲れのあまりその場に顔を伏せた。
昨日はとにかく最悪だった。
一人暮らしのはずが突然男と同居することになって?
しかもそれがクラスメイト?しかも小瀧?
≪ こっからここまでが俺の陣地やから山村入ってきたらあかんで ≫
≪ 言われなくても分かってるから!小瀧の机もうちょっと向こうに動かしてや! ≫
そのせいで私たちの仲も一向に悪くなるばかりで。
部屋の中にあった段ボールは私の分だけでなく小瀧の分も。
そして505号室の鍵は私と小瀧の二つ用意されていて。
"あぁ、これからこの人と同居するんや"と昨日そのとき強く思い知らされた。
一応小瀧は"新しい家が見つかるまで"と大家さんに言っているらしい。
私にとってそれが唯一の救いの言葉だ、家が見つかれば同居も終わる。
初日は気まずいだろうからと昨日の夜は大家さんの部屋を貸してくれた。
翌朝はこの通り誰よりも早く登校して理絵に全部を話して。
そして今やっとこの状況に至っているわけだ。
「てことは…今日から正式に小瀧と同居生活?」
『そんな言わんといて…考えるだけで辛い』
机に突っ伏してぼーっと窓の外を見つめる。
今日から私はあの家に帰って地獄を見る毎日を送るのだ。
しばらくの間理絵と話をしていると。
教室のドアががらがらっと開いた。
「小瀧くん!!おはよう〜!!」
「おう、おはよ」
げっ…小瀧!!!!
ちらっと確認すればドアの周りで女子たちに囲まれている小瀧が。
き、気まずすぎる…絶対目合わせたらあかん。
一人一人に挨拶をしていく小瀧は徐々に私の方に近づいてきて。
"山村もおはよ"そう言って私の斜め前の席に座った。
そんな小瀧に慌てて"おはよ…"と返せば小瀧はにこっと笑っていて。
案外普通やん、良かった…と胸を撫で下ろした。
その瞬間、ころんころんっと音を立てて何かを落とした小瀧。
そんな小瀧は慌てて私に"ごめん、拾ってくれへん?"と床を指差した。
仕方なく床に落ちたものを拾えばそこには"505"と書かれた鍵だった。
『なっ…!!』
慌てて小瀧の方を見れば小瀧はにやっと微笑みながら舌を出していて。
は、はめられた…今完全にやりやがった、絶対今のわざとだ。
小瀧とのこれからの同居生活はさらに不安が高まるばかりだ。
1543人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - 桃から生まれたももさん» コメントありがとうございます(;_:)ありがとうございます…!続編希望のお言葉も嬉しいです、また書いたときはぜひ見にきてくださると嬉しいです…!これからもどうぞよろしくお願いいたします(..)** (2019年6月25日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
桃から生まれたもも - 完結おめでとうございます~...で良いのかな..? 無理をしない程度に続編みたいです! (2019年6月23日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 天使=重岡ぁさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうというお言葉ありがとうございます…!続編希望のお言葉もすっごく嬉しいです!まだ書くかは分かりませんが、ふら〜っと現れて書きに来るかもしれないのでそのときはぜひ見ていただけると嬉しいです(..)*** (2019年6月11日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
天使=重岡ぁ - 完結おめでとうございます!できれば続編をかいてほしいです。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d85f290257 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆずれもんさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうのお言葉ありがとうございます…!大好きだなんて…本当に嬉しいです、やる気の源です(..)!続編希望のお言葉も本当に嬉しいです、またふら〜っと書きに来たときはぜひ愛読してください…! (2019年6月10日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りってぃ | 作成日時:2019年3月19日 14時