同居33. ページ33
翌日。
何だか気分が落ち着かなくていつもより少し早めに学校に来た。
昨日からまともに小瀧の顔を見れなくなった、なぜだろうか。
「どうしたん、そんなところで」
教室にいる気分にもなれなくて裏庭でぼーっとしていると
後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきて。
慌てて振り返れば"やっぱり!ナママケモノちゃんや!"と微笑む藤井先輩がいた。
「ナママケモノちゃん、久しぶりやん!」
『あの…藤井先輩……』
「ナママケモノちゃんちょっと見ないうちに髪伸びたんちゃう?」
『あの…だから……』
どすどすっと音を立てて強引に私の隣に座る先輩。
なんか前より図々しくなってないか、この人。
「ナママケモノちゃん、浮かない顔してるけどなんかあった?」
『藤井先輩…聞いてください』
「ん?なに?」
『私ナママケモノって名前じゃないです』
私の言葉に"えへへへ"と笑う藤井先輩。
さっきからずーっと言おうとしてるのにずーっとナママケモノって呼ぶから。
「えへへへ、ナママケモノちゃん!!」
このやり取りを一億回ぐらいした挙句、
結局最後は藤井先輩が"ナママケモノちゃん!"と言って終わってしまう。
…何やねん、この茶番。
「あぁ!さては恋愛で色々悩んでるなぁ〜!」
『べ、別にそういうわけじゃ……』
浮かない顔をしている私に向かっていきなりそんなことを口にする藤井先輩。
慌てて否定をすれば先輩はにやにやしながらこちらを見つめていた。
…小瀧は優しい。
クラスでも色んな女子生徒に話しかけたりしてるし周りをよく見て気遣えるタイプだ。
≪ 今日告白してきたやつがおってんけど…なかなかめんどくさくて ≫
≪ 断ったら泣き出して急にそいつの友達とか現れてめっちゃ悪者扱いされた ≫
いつしかの帰り道小瀧はそんなことを口にしていた。
優しい小瀧だからこそ抱えているものもたくさんあるんだろう。
≪ 女子ってめんどくさいから苦手やわ ≫
そのとき小瀧は確かにそう言っていた。
今になってその言葉がずっと私の頭を過っているのだ。
きっと小瀧は私が"好き"なんて言ったら一瞬で嫌な顔をするだろう。
「恋愛相談なら俺がいつでも乗るけど?」
『気が向いたらしますね』
優しくそう言ってくれる先輩にそう言えば先輩は"分かった"と言ってくれて。
先輩はひらひら〜っと手を振って去っていってしまった。
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りってぃ(プロフ) - 桃から生まれたももさん» コメントありがとうございます(;_:)ありがとうございます…!続編希望のお言葉も嬉しいです、また書いたときはぜひ見にきてくださると嬉しいです…!これからもどうぞよろしくお願いいたします(..)** (2019年6月25日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
桃から生まれたもも - 完結おめでとうございます~...で良いのかな..? 無理をしない程度に続編みたいです! (2019年6月23日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 天使=重岡ぁさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうというお言葉ありがとうございます…!続編希望のお言葉もすっごく嬉しいです!まだ書くかは分かりませんが、ふら〜っと現れて書きに来るかもしれないのでそのときはぜひ見ていただけると嬉しいです(..)*** (2019年6月11日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
天使=重岡ぁ - 完結おめでとうございます!できれば続編をかいてほしいです。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d85f290257 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆずれもんさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうのお言葉ありがとうございます…!大好きだなんて…本当に嬉しいです、やる気の源です(..)!続編希望のお言葉も本当に嬉しいです、またふら〜っと書きに来たときはぜひ愛読してください…! (2019年6月10日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2019年3月19日 14時