同 居 男 女 ≪ Nozomu.K ≫

同居31. ページ31

あれから一週間。





『今日も学校終わったら一番に帰らんと！！』



私の日常は少しずつ変わっていった。

お昼休みからそんな決意をして早く放課後にならないかなぁなんて思いながら時計を見る。






「Aここ一週間でなんかすごい変わったなぁ」


『今日は夕食にグラタンを作る予定やねん！！』



しみじみと私を見つめる理絵に今日の夕食の話をする。

あれから私は少しずつ料理をするようになった。



小瀧に教えてもらいながらやけど週の半分は私が作るようになって。

少しずつ上達していくのがとても楽しくて最近は楽しみが増えた気がする。






「なんか最近のAすごい楽しそうやな」



そんなことを言いながらお弁当のウインナーを口に運ぶ理絵。

楽しそうか…理絵がそう言うのなら本当に楽しいのかもしれない。






「小瀧のこと案外好きやったりして〜？」


『なっ！！そ、そんなことありえへんし！！』



そう言ってにやにや見つめてくる理絵に慌てて反抗する。

小瀧は意地悪やしデリカシーないし…だけどたまに優しい。







「まぁ、でも男女で同居なんてしてたら多少は何かあるやろ？」



小瀧と同居して唯一進展したことといえば前より仲が良くなったというか。

たったそれだけで他には何も進展してないしそもそも私たちはそういう関係じゃ。






「案外お似合いやと思うけどなぁ、二人」


『何でそんなに小瀧のこと進めるんよ』






少し曇り空の屋上。









私は慌ててお弁当のおかずを口に詰め込んだ。









.



放課後。




鞄の中に教科書やらを強引に詰める。

今日は早く帰って材料調達しないとな…なんて考えながら。







「A相変わらず早いなぁ」


『今日はグラタン作るから！！急がないと！！』



そう言って理絵ににこにこと笑ってみせれば

近くで私のことを見つめていた小瀧と軽く目が合った。






そんな小瀧は容赦なく私の元へ近づいてきて。

そのままなぜか軽く私の頭に腕を置いた。





「山村、はしゃぎすぎ」



そう私に耳打ちしてきた小瀧は満足そうに友達のところへ行ってしまって。

突然のことに私の心臓は珍しくばくばくと音を立てていた。




顔を赤くしている私を見てなぜかにやにやしている理絵。








『別にはしゃいでないし……』









友達と楽しそうに話す小瀧を見ながら静かにそう呟いた。

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