同居20. ページ20
突然のことに頭が真っ白になって。
ショックで言葉も出なかった。
隣を歩いてた女の人…私たちと同じ制服着てた。
間違いなく藤井先輩と同じ学年だ。
後輩だから恋愛対象として見てもらえなかったのだろうか。
元々付き合えない、話したこともない存在だった。
遠くから見るような美しいものだとそう思って生活してきた。
突然話しかけてくれた先輩とたくさん話して。
もしかしたら脈アリなんじゃないかって今一番近くで先輩のことを思ってるんじゃないかって。
『欲張りすぎた…私』
でも先輩の隣には私なんかよりももっと近くで思っている人がいた。
ちょっと話したからって調子に乗って欲張って…馬鹿みたいだ。
「おい！何してんねんそんなとこで〜！」
遠くからそんな小瀧の声が聞こえて。
"ジュース買ってきてやったぞ"なんて言いながらこちらに近づいてくるような気配がした。
どうしよう…小瀧にこんな姿見せたくない。
振られたなんて知ったら間違いなくネタにされるし馬鹿にされる。
『ごめん、ちょっと先帰る』
「は？何やねんせっかく買ってきてやったんやぞ？」
立ち上がった私に後ろから"帰るっていっても家一緒やんけ"と笑いながら言った小瀧。
"顔見せろ""こっち向いて"と言う小瀧にもうどうしていいか分からなくなった。
なかなか振り向かない私に小瀧は強引に私の顔を覗き込んで。
目に涙を溜め込んでいる私を見てぎょっとしたような顔をしていた。
「……どうしたん」
どこか戸惑ったようにそう聞いてくる小瀧。
そんな小瀧の目はとても優しくて何だかもうどうでもよくなってしまった。
『藤井先輩と他の女の人が楽しそうに歩いてた』
「うん」
『藤井先輩めっちゃ笑顔やった、今まで見たことないぐらい』
「うん」
優しく話を聞いてくれる小瀧に涙が止まらなくなって。
溢れ出た涙はぽたぽたっと地面に落ちていった。
『ずっと…好きやったのになぁっ……』
もう目の前が何も見えないぐらい涙が出てきて。
そんな私に小瀧は"ほら帰るで"そう言って私に背中を向けた。
差し出された背中に体重を預ければふわっと身体が浮いて。
久しぶりにおんぶというものをされて少し恥ずかしくなった。
小瀧の背中は温かくてとてもいい香りがして。
そんな小瀧の背中で私はしばらく泣いていた。
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りってぃ(プロフ) - 桃から生まれたももさん» コメントありがとうございます(;_:)ありがとうございます…！続編希望のお言葉も嬉しいです、また書いたときはぜひ見にきてくださると嬉しいです…！これからもどうぞよろしくお願いいたします(..)** (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
桃から生まれたもも - 完結おめでとうございます~...で良いのかな..？ 無理をしない程度に続編みたいです! (2019年6月23日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 天使＝重岡ぁさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうというお言葉ありがとうございます…！続編希望のお言葉もすっごく嬉しいです！まだ書くかは分かりませんが、ふら〜っと現れて書きに来るかもしれないのでそのときはぜひ見ていただけると嬉しいです(..)*** (2019年6月11日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
天使＝重岡ぁ - 完結おめでとうございます！できれば続編をかいてほしいです。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d85f290257 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆずれもんさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうのお言葉ありがとうございます…！大好きだなんて…本当に嬉しいです、やる気の源です(..)！続編希望のお言葉も本当に嬉しいです、またふら〜っと書きに来たときはぜひ愛読してください…！ (2019年6月10日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2019年3月19日 14時
