同居16. ページ16
傘を開いた小瀧に少しだけ近づいて傘の中に入る。
そんな私を見て小瀧は"そんな端っこやったら濡れるやろ"と強引に肩を引き寄せた。
『近づいてもどうせ私濡れるやん』
「そりゃそうやろ、俺濡れたくないし」
どこまで自分勝手なんや、こいつは。
でも小瀧の傘やからしゃーない…と心の中で踏み止まった。
「てゆうか、人に傘渡しといて自分忘れるとか」
"ありえへんぐらいださいやん"そう言って楽しそうに笑う小瀧。
そんな小瀧に私は"ほんまむかつくわ"と言って軽く肩を叩いてやった。
「山村…今日初めて俺と同居してて良かったって思ってるやろ？」
『ちょっと思ってる…』
私の言葉を聞いて"ふははっ"と楽しそうに笑う小瀧に何だか恥ずかしくなって。
でも小瀧と同居してなかったらびしょ濡れになって帰ることになってたのは事実で。
なんかもう全部小瀧のペースに飲まれている気がしてまた恥ずかしくなった。
.
電車に乗って十分。
目的の駅に到着して小瀧と二人でその駅に降りる。
外へ出ればまた二人で一つの傘に入り込んだ。
「そういやお前藤井先輩とはどうなってるん」
『へっ…藤井先輩？』
今までずっと他愛もない話をしていたのに。
急にピンポイントで藤井先輩の話をしてくるから思わず動揺してしまった。
『お昼休みちょっと話して結構距離縮まったかな』
「ふーん、良かったやん」
お昼休みのことを思い出しながらそう言えばそう言ってくれた小瀧。
優しいような優しくないようなそんな言葉が何だか少しだけ嬉しかった。
「ほんまに藤井先輩のこと好きやねんな」
『どうしたん、急に』
「今の藤井先輩の話してるときのお前の顔、完全に恋してる顔やったから」
"そりゃそうやわ"そう言おうとして咄嗟に止めた。
隣にいる小瀧が何も表せないほど美しく綺麗な瞳をしていたから。
小瀧の考えていることは未だによく分からない。
ただただ意地悪でからかってくるそんなイメージばかり。
「スーパーで買いたいものあるから山村もついてきてや」
『え〜、めんどくさいって』
「何言うてんねん、そしたらもう夕飯抜きにするぞ」
『え、それだけは勘弁してください……』
でも小瀧はそんなに悪いやつじゃないのかもしれない。
怒った顔で嫌がる私をずるずるスーパーへと引きずる小瀧を見てそう思った。
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りってぃ(プロフ) - 桃から生まれたももさん» コメントありがとうございます(;_:)ありがとうございます…！続編希望のお言葉も嬉しいです、また書いたときはぜひ見にきてくださると嬉しいです…！これからもどうぞよろしくお願いいたします(..)** (2019年6月25日 19時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
桃から生まれたもも - 完結おめでとうございます~...で良いのかな..？ 無理をしない程度に続編みたいです! (2019年6月23日 22時) (レス) id: 03ea0da012 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 天使＝重岡ぁさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうというお言葉ありがとうございます…！続編希望のお言葉もすっごく嬉しいです！まだ書くかは分かりませんが、ふら〜っと現れて書きに来るかもしれないのでそのときはぜひ見ていただけると嬉しいです(..)*** (2019年6月11日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
天使＝重岡ぁ - 完結おめでとうございます！できれば続編をかいてほしいです。 (2019年6月10日 22時) (レス) id: d85f290257 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - ゆずれもんさん» コメントありがとうございます(;_:)おめでとうのお言葉ありがとうございます…！大好きだなんて…本当に嬉しいです、やる気の源です(..)！続編希望のお言葉も本当に嬉しいです、またふら〜っと書きに来たときはぜひ愛読してください…！ (2019年6月10日 19時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2019年3月19日 14時
