教師05. ページ5
翌日。
朝いつも通りに起きてしっかりメイクして髪も整えて。
食卓に並んである朝食を黙々と食べた。
『あのさぁ、お母さん』
「ん?どうしたん?」
『家庭教師の人変えてほしいんやけど』
「何言ってるん!今さら!」
洗い物をしているお母さんにそう言えば案の定この返事。
家庭教師に頼むのは私が馬鹿なせいでもあるしそこは納得なんやけど。
『女の人がいい』
「それはそうやけどもう重岡さんに決まってもうたし」
『でも昨日はまだ体験やん!』
「残念ながらもうお金払ってしまいました〜」
なっ……いつの間に。
体験とか言いながら最初からそうするつもりやったんかい。
目の前のお母さんをぎろっと睨めば"睨まんといてよ"と言われてしまった。
「週3のコースにしてもらったから」
『週3って!!!!多すぎやん!!』
そう言ったお母さんに思わず立ち上がる私。
そんな私にお母さんは"塾とかやったら普通もっと多いで?"と言っていた。
「とりあえず一か月分だけ払ったから一か月経ったらまた一緒にどうするか考えよう」
そう言ったお母さんは呑気に味噌汁を飲んでいて。
そんなお母さんを見ながら一か月だけなら頑張ってみるか…と少しだけそう決意した。
.
あれから学校に行っていつものようにぼーっと過ごして。
気づけばお昼休みになっていた。
「へぇ、家庭教師?」
『そうやねん、もう全部夢であってほしいわ』
がっつり唐揚げ弁当を食べている私の隣でメイク直し中の桜。
そんな桜に昨日あったことを話せば桜はしっかり話を聞いてくれた。
「何でその人が嫌なん?」
『なんかつい最近助けてもらったんやけど…多分その人でさ』
そんな私に桜は"ロマンチックすぎ!"と目を輝かせていて。
"その方が話しやすいやん!"と身を乗り出す桜に私は渋々口を開いた。
『何ていうかさ…変に知り合ってるって気まずいやん?』
『向こうは気づいてないみたいやから良かったけどそんな状態で教えてもらってもなって』
そう言った私の言葉に"Aは変なところ真面目やな"と言った桜。
それやったらまだ全然知らん人に教えてもらった方が楽やのに。
「そんなこと気にしてないで早く成績伸ばさなほんまに留年するで〜」
そんな桜の言葉に私は慌てて自分の気持ちを飲み込んだ。
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りってぃ(プロフ) - まるみざわさん» コメントありがとうございます(:_;)完結おめでとうのお言葉ありがとうございます…!濱田くん私も書いていてすっごく楽しかったキャラでした、同じ方がいて嬉しい…!これからもよろしくお願いいたします(';')*** (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - な!さん» コメントありがとうございます(:_;)大好きだなんて…言葉にならないぐらい嬉しいです!また続編書こうかなと思ってたりもしてるんですけど…これで終わっちゃうのやっぱり寂しいですよね(';')ありがとうございます、頑張ります…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - マーメイドさん» コメントありがとうございます(:_;)家庭教師の重岡くん!私も書いていてすごく楽しかったのでこれがなくなると思うと寂しいです('_')ぜひ新作も見に来てあげてください…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» コメントありがとうございます(:_;)濱田くんのこと褒めていただいて嬉しいです…!個人的にも大好きなキャラでした!ぜひ新作も見に来てください、これからもよろしくお願いいたします…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
まるみざわ - 家庭教師完結おめでとうございます…!!濱ちゃんのキャラがすごいドストライクで毎回ドキドキしてました(^o^) (2019年8月12日 23時) (レス) id: 85ea9caf95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2019年6月10日 19時