教師33. ページ33
次の家庭教師の日。
目の前で相変わらず丁寧に勉強を教えてくれる重岡さん。
その横顔は相変わらず綺麗でつい見惚れてしまっていた。
「もうすぐで中学生の範囲終わってまうな」
『重岡さん!きちんと宿題やってきましたよ!』
「うわぁ…まじかぁ……」
『罰ゲームの激苦上がりです、どうぞ』
最近はほとんど重岡さんが罰ゲームを受けていて。
"もう罰ゲーム制度終わりにせえへん?"と言った重岡さんは目の前のお茶をごくっと飲み込んだ。
ちらっと時計を見ればもう家庭教師の終わる時間。
それと同時に"濱田さんが来るのか"と憂鬱な気持ちになった。
結局あの後はまっすぐ家に帰ったけど。
今さらながら結構偉そうなことを言ってしまったなと後悔しているのだ。
『あの…濱田さんそろそろ迎えにきますよね?』
「あー…それは……」
そう言って立ち上がればどこか引き止めるようにそう言った重岡さん。
そんな重岡さんはどこか気まずそうな顔を浮かべていた。
……どうしたんやろう。
「実は俺のバイク直ってんっ」
「やからもう今日から濱ちゃんは迎えに来おへんの」
そう言ってぎこちない笑顔を浮かべる重岡さん。
そんな重岡さんを不思議に思いながらも私は"そうなんですね"と言った。
心の底から"良かった"と思った。
濱田さんと顔を合わせずに済むし…今の私には好都合すぎる。
ちらっと重岡さんの方を見れば、がしがしと自分の頭を掻いていた。
.
そしてそれからしばらく他愛のない話で盛り上がって。
重岡さんは"もうほんま面白いわ"なんて言いながら玄関で靴を履き替えていた。
『あれ?ヘルメットどうしたんですか?』
「あぁ、バイクの中にあるねん」
いつも帰るときは必ずヘルメットを手に持っている重岡さん。
でも今日は重岡さんの手にヘルメットはなかった。
『そうなんですね!ではお気をつけて!』
「おう、ありがとうな」
『重岡さんが帰るまで見届けますね』
「いやっ……ええよそんなん」
そう言ってドアを開けようとすればなぜか阻止する重岡さん。
「今日コンビニにバイク置いてきてるから花沢ちゃんは部屋戻っといて」
そう言った重岡さんに不思議思いながらも私は"分かりました"と言って部屋へと戻った。
853人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りってぃ(プロフ) - まるみざわさん» コメントありがとうございます(:_;)完結おめでとうのお言葉ありがとうございます…!濱田くん私も書いていてすっごく楽しかったキャラでした、同じ方がいて嬉しい…!これからもよろしくお願いいたします(';')*** (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - な!さん» コメントありがとうございます(:_;)大好きだなんて…言葉にならないぐらい嬉しいです!また続編書こうかなと思ってたりもしてるんですけど…これで終わっちゃうのやっぱり寂しいですよね(';')ありがとうございます、頑張ります…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - マーメイドさん» コメントありがとうございます(:_;)家庭教師の重岡くん!私も書いていてすごく楽しかったのでこれがなくなると思うと寂しいです('_')ぜひ新作も見に来てあげてください…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» コメントありがとうございます(:_;)濱田くんのこと褒めていただいて嬉しいです…!個人的にも大好きなキャラでした!ぜひ新作も見に来てください、これからもよろしくお願いいたします…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
まるみざわ - 家庭教師完結おめでとうございます…!!濱ちゃんのキャラがすごいドストライクで毎回ドキドキしてました(^o^) (2019年8月12日 23時) (レス) id: 85ea9caf95 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りってぃ | 作成日時:2019年6月10日 19時