教師03. ページ3
絶対あの人やん…そう確信した私は冷や汗が止まらなくなって。
重岡さんは私に気づいていないのかお母さんと話し込んでいた。
「あの早速今日からということでしたよね」
「はい!今日は一応体験という形で…!」
「分かりました、じゃあ正式にとなったときは料金が必要になりますので」
「ありがとうございます、ほんまに助かるわ〜」
鞄から家庭教師の詳細が書かれた紙をお母さんに渡す重岡さん。
そんな重岡さんにお母さんはわくわくしている様子だった。
≪ そんな子供っぽいやつナンパするなんて趣味悪いんすね、先輩 ≫
あのときと全然態度が違うじゃねーかよ!重岡さんよ!!
にこにこ笑顔で話している重岡さんを遠くからじーっと見つめる。
いや…もしかしたら違う人かも?
同姓同名なんてこともあるし?もしかしたら兄弟とか?双子?
「じゃあお邪魔します」
そんなことを考えているといつの間にか重岡さんが家の中に上がり込んできて。
そんな重岡さんはお母さんに"Aさん呼んできてもらえますか"と言っていた。
「A〜!隠れてないで出てきなさい!」
『はーい……』
すっぴんだし髪もボサボサだし部屋着姿だけどまぁいいか。
渋々重岡さんの前に姿を現すと相変わらず重岡さんはにこにこ笑っていた。
「じゃあ今日はよろしくお願いします」
そうお母さんに挨拶した重岡さんは強引に私の腕を掴んで。
そのままずるずると私を引っ張っていった。
.
強引に私の部屋の中に入り込んだ重岡さん。
気が抜けたのか背中に背負っていたリュックをどさっと床に置いていた。
「すごい部屋やな……」
『すみません、来ると思ってなくて』
ぬいぐるみやら色んなものがあちこちに散らばっている部屋。
重岡さんは口をぽかーんっと開けて突っ立っていた。
「えーっと花沢Aちゃん17歳であってる?」
『はい、そうです』
「成績が悪すぎるからぜひ家庭教師に指導してもらいたいと……」
『そこはあんまり言わないでもらえると嬉しいです…』
改めて資料を見て私のことを整理している重岡さん。
そんな重岡さんは"さぁ、始めよか"なんて言いながら勝手に椅子に座っていた。
リュックの中から文房具を取り出す重岡さんは真面目なのかよく分からない。
私はそんな重岡さんをしばらく見つめていた。
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りってぃ(プロフ) - まるみざわさん» コメントありがとうございます(:_;)完結おめでとうのお言葉ありがとうございます…!濱田くん私も書いていてすっごく楽しかったキャラでした、同じ方がいて嬉しい…!これからもよろしくお願いいたします(';')*** (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - な!さん» コメントありがとうございます(:_;)大好きだなんて…言葉にならないぐらい嬉しいです!また続編書こうかなと思ってたりもしてるんですけど…これで終わっちゃうのやっぱり寂しいですよね(';')ありがとうございます、頑張ります…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - マーメイドさん» コメントありがとうございます(:_;)家庭教師の重岡くん!私も書いていてすごく楽しかったのでこれがなくなると思うと寂しいです('_')ぜひ新作も見に来てあげてください…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» コメントありがとうございます(:_;)濱田くんのこと褒めていただいて嬉しいです…!個人的にも大好きなキャラでした!ぜひ新作も見に来てください、これからもよろしくお願いいたします…! (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
まるみざわ - 家庭教師完結おめでとうございます…!!濱ちゃんのキャラがすごいドストライクで毎回ドキドキしてました(^o^) (2019年8月12日 23時) (レス) id: 85ea9caf95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2019年6月10日 19時