教師43. ページ43
私の言葉にどこか嬉しそうに微笑む女の子。
そんな女の子は"重岡先生ってすごく分かりやすいんですよ"と言っていた。
「その生徒さんすっごい馬鹿らしいんです」
ば、馬鹿って…シンプルな悪口に若干テンションが下がった気がしたが。
私はその続きを聞こうと身体を前のめりにした。
「私が初めて重岡先生の授業を受けたときもずーっとその話してて」
「でもその生徒の話をしているときの重岡先生、すっごく幸せそうな顔してるんです」
"やからついついいつもその話聞いてしまうんですけど"そう言って微笑む女の子。
私はその女の子の話をただ黙って聞くことしかできなかった。
「馬鹿すぎて呆れるって、宿題やってこなさすぎて呆れるって、頑固すぎて呆れるって」
「毎日迷惑そうにでもどこか幸せそうにその話してました」
目の前で淡々と話していく女の子。
胸が胸の奥がぎゅーっと締め付けられるようなそんな感覚になった。
「初めての生徒で浮かれてワークめっちゃ買ってもうたって話もしてたし！
あと罰ゲーム制度っていうのも作ったって楽しそうに話してて！」
「でも私にはそういうの一切ないからきっと重岡先生にとって特別な生徒さんなんだなって」
指を折りながら次から次へと話していく女の子。
違う、私はただの生徒で重岡さんからなんて見向きもされてない。
"特別な生徒"なんてそんなことあるわけないのに。
≪ わざわざ俺のお金でワーク買ってんで？それも中1からの全部やで？どう思う？ ≫
≪ でもあいつにやったら何でも話してまうんよなぁ、将来の夢の話とか ≫
重岡さんはずっと話してくれていたのだ。
面倒くさそうにでもどこか楽しそうにずっと私の話をしてくれていたのだ。
きっとこの女の子にいつもこんな風に話をしていたのだろう。
「もしその生徒さんも重岡先生と同じくらい好きやったらもうそれは運命ですよね！」
目の前の景色が一周回った気がした。
何だか違う世界に見えるような気がして胸が苦しくなった。
目の前の女の子は"じゃあ彼氏と待ち合わせしてるのでこの駅で降りますね"と言って。
そのまま"またどこかで会えたら"と言い残してそそくさと降りていってしまった。
一人取り残された私は迷うことなくスマホを取り出して桜に電話をかけた。
『ごめん、今日の合コンやっぱりやめとくわ』
私の世界は晴れていた。
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りってぃ(プロフ) - まるみざわさん» コメントありがとうございます(:_;)完結おめでとうのお言葉ありがとうございます…！濱田くん私も書いていてすっごく楽しかったキャラでした、同じ方がいて嬉しい…！これからもよろしくお願いいたします(';')*** (2019年8月14日 20時) (
レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - な！さん» コメントありがとうございます(:_;)大好きだなんて…言葉にならないぐらい嬉しいです！また続編書こうかなと思ってたりもしてるんですけど…これで終わっちゃうのやっぱり寂しいですよね(';')ありがとうございます、頑張ります…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - マーメイドさん» コメントありがとうございます(:_;)家庭教師の重岡くん！私も書いていてすごく楽しかったのでこれがなくなると思うと寂しいです('_')ぜひ新作も見に来てあげてください…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - やさきみさん» コメントありがとうございます(:_;)濱田くんのこと褒めていただいて嬉しいです…！個人的にも大好きなキャラでした！ぜひ新作も見に来てください、これからもよろしくお願いいたします…！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
まるみざわ - 家庭教師完結おめでとうございます…！！濱ちゃんのキャラがすごいドストライクで毎回ドキドキしてました(^o^) (2019年8月12日 23時) (レス) id: 85ea9caf95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りってぃ
| 作成日時：2019年6月10日 19時
