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あれから数時間。
『ここはこうで…ここがこうなってるやん!』
「ふはっ…上原それ全問間違いやから」
あれから私たちはなぜかとても仲良くなってしまっていた。
それもそのはず隣の席同士で問題を解く授業があってつい意気投合してしまったのだ。
馬鹿な私に一つ一つ丁寧にゆっくり教えてくれた小瀧くんは悪い人じゃないと思う。
私の言葉にいちいち反応してくれて笑ってくれる小瀧くんに何だか私も嬉しくなっていた。
「上原は俺のこと怖くないん?」
『最初はびっくりしたけど…今は普通に楽しいで』
「ふふ、ありがとうな」
『でもまだちょっと怖いけど』
不安そうにそう聞いてくる小瀧くんに優しく返してあげれば嬉しそうな顔をするから。
少し意地悪を言ってあげれば不機嫌そうな顔でこつんっと頭を突かれてしまった。
そんな小瀧くんの一つ一つの仕草にきゅんっとしたのは秘密。
.
それから数日。
私たちが話す度に周りからひそひそと陰口が聞こえるようになった。
"Aちゃん何であの男と仲良くしてるんやろ"とか"小瀧女好きかよ〜"とか。
小瀧くんと話すのが物凄く楽しかったのになぜか最近は憂鬱になっている気がする。
『小瀧くん、これ新しい資料……』
「あ〜、そこ置いといて」
そして小瀧くんの反応もこの間より冷たくなっている気がする。
今日に至っては目も合わせてくれなかった。
別にそれぐらいどうってことない、私には他にも話す人はいっぱいいるし。
元々は小瀧くんのことが怖かったんだ、関わりたくなかったんだ。
「あ、あと俺にもう話しかけんといて」
その場から去ろうとすれば後ろから聞こえたそんな小瀧くんの声。
何でそんなことを言われなければいけないのか、私にはさっぱり分からなかった。
『な、何で…?』
「俺と話してても楽しくないやろ」
『別にそんなこと……』
「正直迷惑やねん、俺は一人でいたいし」
小瀧くんはいつもの冷たい一匹狼に戻っていた。
あのときの優しさの欠片もないただただ冷たい目で私を見つめていた。
私はすごく楽しかった、やけど小瀧くんは違ったのか。
『あっそ!こっちやって小瀧くんと話したくないから!!』
そう言って駆け足でその場を去った。
ちらっと小瀧くんの方を振り返れば何も気にしていない様子で作業を進めていて。
私に一ミリも興味がないのか…そう思うと胸が苦しくなった。
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りってぃ(プロフ) - 芽未さん» 喜んでいただけて嬉しいです(;_:)私も書いていて嫉妬深い重岡くんいいなぁ…としみじみ感じておりました!読み返してくれるなんて嬉しいです…、これからもよろしくお願いいたします! (2019年7月9日 18時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
芽未(プロフ) - りってぃさん» もう、最高すぎます!!ニヤニヤが止まらないです笑(*¨*) こんなに早く書いて下さってありがとうございます!いっぱい読み返します<3 (2019年7月8日 20時) (レス) id: fdd00ca03b (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - いとさん» わわわ…! ご希望に応えられて本当に良かったです!最後はドSな神山くんになってしまいましたが120点なんて本当に嬉しいです(;_:)また機会があれば遠慮なくじゃんじゃんリクエストしてください…! ありがとうございます…! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 芽未さん» コメントありがとうございます(;_:)にやにやしながら読んでいただいて本当に嬉しいです…!リクエストもありがとうございます!上手く書けるか分かりませんが、頑張って書いたのでぜひ読んでください…! 素敵なリクエストありがとうございました(..)* (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ふわっとしたリクエストだったのに120点のお話でとってもとっても楽しく読ませていただきました!!(点数をつけるのもおこがましいですが)本当にありがとうございます!リピ読み確定です!!またリクエストさせてください。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 90021e138b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年12月5日 18時