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もっとお兄ちゃんと話したいしもっとお兄ちゃんと仲良くなりたい。
歳が離れているからってこんなに冷たくする必要ないでしょうが。
『もっと短いズボン履いてお兄ちゃんの大学まで行ったるし』
太ももがしっかり見える短いズボンと去年お兄ちゃんとお揃いで買ったティーシャツを着る。
お揃いといっても私が半強制的に買っただけでお兄ちゃんが着たことは一度もないけど。
お兄ちゃんの大学はここから何個か電車に乗り継いだところにあるはず。
方向音痴の私だけど今の時代スマホがあれば楽勝だ。
そんな私はお兄ちゃんの大学が終わる時間に合わせて大学に行くことを決意した。
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ぞろぞろと生徒たちが大学から出てくる。
そわそわして校門の前で待っている私はみんなからの注目の的だ。
そう、あれから私は何とか電車を乗り継いで。
お兄ちゃんが終わる時間にここまで来れたのだ。
静かに待っていれば、ずらりっと一気に出てきた生徒たち。
その中には数人の友達と楽しそうに話すお兄ちゃんがいた。
あ、女の子も何人かいる。
楽しそうだなと思いながら"お兄ちゃん!!"と言えば案の定迷惑そうな顔をしていた。
「何でここにおるん」
『へへ、電車乗り継いで来てもうた!』
冷たい目をしたお兄ちゃんに笑顔でそう答えれば、あからさまに深いため息をつかれて。
お兄ちゃんの男友達に"あ、妹ちゃん?"と言われて"はい!そうです!"と答えた。
"足寒そうやね"と周りから言われて"全然!暑がりなので!"と返す私。
みんなは笑顔で話しかけてくれるのに肝心のお兄ちゃんはなぜかとても怒った顔をしていた。
「お前もう来んといて」
『えっ…?何であかんの?』
「お前がおると迷惑や、それに何なんそのズボン」
『私はお兄ちゃんのために来たのに……』
結局私の気持ちはお兄ちゃんに伝わることはなかった。
泣きそうになる私にまた一つ"大学なんか絶対来るな"と冷たい目を向けるお兄ちゃん。
苦しくて悔しくて私は"お兄ちゃんなんかいらない!大嫌い!"と言ってその場を走り去った。
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必死で走った、どこか分からないこの街をとにかく走り続けた。
気づいたときには全くどこか分からない場所にいた。
私は昔から迷子になるのが苦手だ。
幼少期に迷子になったのが物凄くトラウマなのだ。
『もう嫌やっ…最悪……』
私はただただその場に小さくうずくまるだけだった。
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りってぃ(プロフ) - 芽未さん» 喜んでいただけて嬉しいです(;_:)私も書いていて嫉妬深い重岡くんいいなぁ…としみじみ感じておりました!読み返してくれるなんて嬉しいです…、これからもよろしくお願いいたします! (2019年7月9日 18時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
芽未(プロフ) - りってぃさん» もう、最高すぎます!!ニヤニヤが止まらないです笑(*¨*) こんなに早く書いて下さってありがとうございます!いっぱい読み返します<3 (2019年7月8日 20時) (レス) id: fdd00ca03b (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - いとさん» わわわ…! ご希望に応えられて本当に良かったです!最後はドSな神山くんになってしまいましたが120点なんて本当に嬉しいです(;_:)また機会があれば遠慮なくじゃんじゃんリクエストしてください…! ありがとうございます…! (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
りってぃ(プロフ) - 芽未さん» コメントありがとうございます(;_:)にやにやしながら読んでいただいて本当に嬉しいです…!リクエストもありがとうございます!上手く書けるか分かりませんが、頑張って書いたのでぜひ読んでください…! 素敵なリクエストありがとうございました(..)* (2019年7月8日 20時) (レス) id: 7cdc997d36 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ふわっとしたリクエストだったのに120点のお話でとってもとっても楽しく読ませていただきました!!(点数をつけるのもおこがましいですが)本当にありがとうございます!リピ読み確定です!!またリクエストさせてください。 (2019年7月8日 0時) (レス) id: 90021e138b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りってぃ | 作成日時:2018年12月5日 18時