９話 ページ10
「さて、私はご飯を作らなくちゃならないんだけどAちゃん、何か食べたいのはある？」
すると、織田さんは 「えっ」と驚いた顔をしていた。
「いいんですか…？」
「いいのよ！私、今とってもやる気があって何でも作れそうだわ！」
やる気で何でも作れそうだと告げる母さん、もしかして織田さんが来たことを喜んでるのかな…？
「じゃあ……カレーがいいです。」
「カ、カレー？それでいいの？」
「はい、カレー大好きなので。」
優しく微笑むように織田さんは言った。
"懐かしい思い出"を振り返るように。
「じゃあ、カレーにしましょう！出久、Aちゃんと一緒に買い物に行ってちょうだい。Aちゃんも服とか色々必要だし…。」
確かにそうだな…突然の事だし衣服とかも揃えなくちゃ…。
『うん、わかった。近くのスーパーでいいよね？そこだったらちょっとした先に服とか売ってるし。』
「そうね、空もそろそろ暗くなるから遅くならないように！お母さんは布団とか準備するから。」
と言われ渡されたのはメモと財布。
『じゃあ、行ってくるね！織田さん行きましょう。』
「あぁ。」
「行ってらっしゃい、二人とも。」
………
「『行ってきます！』」
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ただただ外には二つの音が響いてた。
織田さんと会ったとき、確か「あちらも安全な状態じゃない」とか言ってた気がする…
と言うことは危険な状態ってこと……それってかなり大変なんじゃ？！
『オ、ｫｫ織田さん！僕と会ったとき「あちらも安全な状態じゃない」って言ってましたよね？！大丈夫なんですか？』
思わず足を止めてまで言ってしまった……、
クルッと織田さんは振り返り
「落ち着け、緑谷。まぁ、確かに急がなくちゃならない…。皆の事が心配だし、きっと皆も私の事を心配している。けど、大丈夫だ。皆、強いんだから。」
そういうと織田さんは前を向いた。
慌てて僕は織田さんのところへ向かった。
【織田さん、貴方は一体何者なんですか？】
僕はこれからの事を歩きながら考えていた。
だから、外は静かだった。
【私は、悪いやつらの敵だ。】
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作者名：しんい | 作成日時：2017年7月23日 19時
