【HUNTER×HUNTER】愛してるなんてものじゃない【イルミ･ヒソカ･クロロ】 (ページ12)

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嫌い12 ページ12

「何だかあちこちから悲鳴が聞こえてくるけど…」

「油断するなってことさ」

「レオリオとクラピカ…大丈夫かな」

『…心配だね』

2人の事を考えるあまり気づかなかったが…今、一瞬…何かが変わった気がした。

ーーーー…地面は何処をどう見たって普通の地面だけど…

そんな事を考えていると、立っていた場所が床が抜けたように落ちていく。

「「『うわああああああ！！！』」」

3人の悲鳴は誰かに届くことも無く消えていった。

3人が立っていた場所からは大きなカエルのような生き物…マチボッケが姿を現す。

そして、何処かへ歩いていった。

ーーーーー数分経った頃…

突然顔色を青くしたマチボッケは、体液と共に3人を吐き出した。

「…えへへ、オレたち口に合わなかったみたい」

『気持ち悪い…』

ゴンの言葉にキルアは「これだよ」とあるものを取り出した。

それは第一試験が始まる前にトンパから貰ったオレンジジュースだった。

『トンパさんから貰ったジュース…まだ持ってたんだ』

「まあな」

「助けて貰っちゃったね！」

「ま、こんなのなくても脱出できたけど」

キルアはそう言うと怠そうにジュース缶を捨てた。

ゴンはレオリオ達の事を気にしているのか、心配そうにしている。

かく言う私も先程のヒソカの様子を思い浮かべると、レオリオとクラピカの様子が気になって仕方なかった。

『(何か…嫌な予感がする)』

「いいから急ごうぜ、今行けばまだ間に合う」

『…ゴン、行こう？』

先に行くキルアに着いていこうと、ゴンに手を差し出す。

だが、その心は決まっているようで、俯いていた顔は真っ直ぐ前を向いていた。

「ごめん、Aさん！オレ、レオリオ達のとこ行ってくる！Aさんはキルアと一緒に先に行っててよ！」

『え、ちょっと…！』

「じゃあね！」

『……ｯ…ぁ、待ってｯ！！』

「どうしたの？」

走っていこうとするゴンを引き止めた。

ゴンの力強い瞳が私をじっと見つめる。

その瞳が何だか眩しくて、つい目を逸らしてしまった。

ーーーー…私は他人に意見を言ったことはなかった。

ーーー毎日、言いなりで…

そんな命令に従うだけの毎日に、慣れてしまっていた。

だからか…『私も行く』そのたった一言さえ、私は断られてしまうんじゃないかと思って怖くて言えなかった。