2.転校生 ページ2
大毅と学校に着くと何やら教室が騒がしい。
[転校生やって‼]
[男の子かな⁉]
[俺は女の子がいいよ〜]
なんて声が聞こえてくる。
｢ねえ大毅 そんなこと先生言ってたっけ？｣
｢俺は知らんよ〜｣
そんなことをしているうちにホームルームの時間がやってきた
昨日席替えがあったばかりで謎に机が増やされているのを私は見逃していなかった
(なんと言っても私の隣が空席だったからだけど…)
先生が教壇に立つ。その顔は転校生の存在を知らせているようなものだ。
[みんなー朝から騒ついてるから知ってると思うけど今日からこのクラスに新しい仲間が入る］
[入れー]
そこに現れたのは何とも寂しそうな顔した…
教室のみんなはしんと静まった。
｢神山智洋です。よろしくお願いします。｣
たったひとこと、いや二言で表されたその人の言葉はひんやり冷たくて
ビー玉のように透き通っていた____
[じゃあAの隣に座ってくれ]
私の前に座っている大毅はここだと言うように指をさしたり得意の変顔？で斜め後ろの席を神山くんにアピールする。
神山くんが席についても大毅の関心はおさまらない。
私が“ちょっとやめてよ”という動きでその熱視線を逸らすようにしても大毅は神山くんに興味津々。
しまいには
｢なあ俺重岡！しげって呼んでや！お前のことはなんて呼べばいいん？｣
とか大声で話し出した。
(まだホームルーム中だし、みんな見てる…神山くんも引いてるんじゃ…)
神山くんの表情は緩むことも引きつることもなくただ
｢普通に神山でいいよ｣
と答えただけだ。
世に言うクールビューティ⁇
(割と大毅に耐性あるな…)
って感心してる場合じゃない！
先生もこっち見てるし…
[そういうのは休み時間にやってくれ]
大毅は｢へ〜い｣と反省していない声を出しやっと体を前に向けた。
｢さっきはすまんかったな って事で放課後空いとるか？｣
私は頭にはてなマークを浮かべながら2人の話を聞いていると、大毅にいきなり肩を寄せられ
｢こいつと俺と3人でちょっと話さんか？｣
｢ええええーー⁉｣
(何言ってんの大毅？)
｢何やAーいかんのか？｣
(いやそういうことじゃ…)
｢いいよ｣
神山くんはすんなりと答える。
｢ええええいいの⁉｣
｢じゃあそういうことで決まりやな！｣
大毅がしたいことはずっと一緒にいるからわかるけど…
神山くんこの話 乗ってくれるんだ…
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作者名：泡雪 | 作成日時：2018年7月16日 4時
