1.眩しくて ページ1
「Aーーーー‼
早よ起きんと置いていくぞ〜？」
そう私を家の外から呼んだのは幼馴染の大毅。
いつも寝坊助な私はこうして朝は迷惑をかける。
朝に弱い私をわざわざ起こしに来てくれるのも、毎朝呆れながら一緒に登校してくれるのもありがたいと思ってるけど
準備で一生懸命な私は
「わかってるって‼あと10分だけやから‼」
申し訳ないと思いつつも少しでも朝から可愛いと思われたくて念入りに洗顔、化粧水、乳液
(あまり洗顔でどうこうできる問題じゃないけど気持ちだけでも！)
そんなことが毎朝起こっていることを知らない大毅は私のことをただの寝坊助ぐらいにしか思ってないんだろうなって考えると…
ようやく準備を終えると穏やか…とは真逆の表情をしている大毅が私をじっと見つめる
「おっそいわ！毎朝どうやったらこうして人待たせてん！」
まさかあなたに可愛いと思われたくて遅くなりましたとか言えるわけないし、まずその前に早く起きろって話になっちゃうんだけど、素直になれない私は
「うるさいなあ！これぐらいいいやん！」
っていう言葉を放つ
(またやってしまった…いいわけないじゃん！毎朝待たせてるんだし)
「言ったな？お前ってやつはほんま学習せんやつやな！」
そう言いながら大毅は私の頬をつねる
「ひゃいきやめてよ〜学校遅れはう〜」
「うっせお前が言うなや笑 ほら早く学校行くぞ」
こんな時間も割と私は嫌いじゃなかったりして笑
私は顔じゅうの筋肉を緩め力一杯「うん‼」と頷いて大毅の背中を追いかけた
こんな日がずっと続けばいいのになあとか、私の気持ちに大毅は気づいてるのかなあとか大毅の横顔をボーっとしながら見つめていると大毅は
「なんやねん笑 さっきからお前おかしいぞ
あっおかしいのはいつもか笑」
「なんだと〜？」
前言撤回だ…人の気も知らずに…誰があんたに恋するもんですか！って言いたくなったけどそんな気持ちは大毅の笑顔を見たら一瞬で消え去った
やっぱり笑顔には弱いなあ私。
何事も笑顔になれる方向をつくり出せるそんな君が眩しくて_____
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作者名：泡雪 | 作成日時：2018年7月16日 4時
