トップアイドル2

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ヨジャ特有の高い声が楽しそうに響く。目線も少し低いくらいで、ぺたんこの靴を履いていても顔の位置が近い。距離感が近いし、さっきから女の子側のボディタッチが些か多いような気がする。ヒョンジナもヒョンジナで特に距離を取るわけでもなくそれを甘んじて受け入れていることから仲の良さを感じるわけで。この間練習室で期待するとか言ってたの誰なのってモヤモヤする。



「…折角スタジオまで出られるようになったから見に来たのに。来なきゃ良かった……」



メンバーの皆と一緒に仕事がしたくて、ペンの皆に会いたくて、それにヒョンジナともまた一緒の番組に出たくて頑張ってカウンセリングを受けてここまでどうにか外に出て、こうしてどうにかスタジオまでには来られるようになった。一番はメンバーの撮影を見届けたかったってところだけど、ヒョンジナも出るって聞いて少しでも裏にだけど立っている私に気が付いてくれたらなぁなんて期待する気持ちもあって。
だけど実際は、他のヨジャドルと仲良く肩を並べて近い距離で話すところを見かけてモヤモヤしている。



「だーれだ」



嫌なら見なきゃいいのに視線を逸らせないでいれば、にょきっと後ろから伸びてきた手に視界を塞がれた。視界を塞ぐ手を掴んで振り向くと、案の定予想通りの人物がいた。



「リノ！」



「なんだ、分かりましたか」



「そりゃそうだよ！同じ事務所の弟たちは皆声だけで分かるよ」



そう話せば、リノは「へえ」なんてあまりにも無感情に頷くのでムッとした顔をすれば「わーい、嬉しいでーす」なんて棒読みでニヤニヤ笑いながら返事してくる。ずっと家でもグループでもマンネな私からすると、そんな生意気な反応をしてきたとしても結局しょうがないなぁって許しちゃうし可愛いと思う。だって、それだけ気を許してくれている証拠だろうし。
急に話しかけて来たリノに何か用でもあったのかと首を傾げれば、「特に何も」と言われる。より一層意味が分からなくて首を傾げる。



「何も用がなくちゃ話しかけちゃいけませんでしたか？」



「いや、そういうわけじゃないんだけど。でも何かリノから話しかけて来るの珍しくない？」



そう言えば、何かを考えているようなそうでないような何とも言えない表情を浮かべたリノが「まあたまにはね」と濁した。

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