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教室に入って昼食を囲みながら2人に事の経緯を話する。
ジスは自覚した経緯が面白かったのか、終始ニヤニヤと愉しそうに笑みを深めるばかりだ。
SC「にしても、また偉く高嶺の花をだな」
どこか感慨深そうにスンチョルがそう零した。
確かにこの学校でAは高嶺の花だ。
だけど、そんなことよりも俺としては仲良くなったとは思うが、意識されているという自信は全く持ってなかったことが問題で。
つまり、異性として認識されているかすら危うい。
付き合う云々以前の問題で、これは中々に由々しき事態である。
JS「でもさ、ハニの話を聞いてる限りじゃ良い友達って感じだよね」
JH「えーい!ジス!人が気にしてることをそうはっきりと言うんじゃない!!」
JS「あはは、ごめんごめん。まあでも、ハニが今のところこの学校で1番仲がいいことは確かなんだから」
JH「やー!慰めたつもりか?」
SC「まあまあ、ジスの言う通りとにかくここからだろ」
2人の面白がっているのか慰めているのかよく分からない応援を受けて今日も美術準備室へと入り浸る。
いや、まあ多分ジスは面白がってると思うけど。
「どうしたの?今日は機嫌悪い?」
今日あった出来事を考えていたのが顔に出ていたようで、珍しくAが製作している手を止めてそう尋ねてきた。
JH「機嫌は悪くないよ。ごめんね、気を遣わせて」
「ううん、気は遣ってないから大丈夫だけど。今日は面と向かってジョンハンくんの話でも聞いてあげようかなぁ」
そう言ってAは油絵に使っている画材を片付けると、俺と向き合うように椅子へと腰掛け直した。
はい、どーぞ?と小首を傾げて促してくれているが、考えていた内容にAが関係しているため、何て言えばいいのか迷う。
「それとも私には言えない内容?」
JH「いや、そんなことなくて。ただ何て言えばいいか迷ってただけ」
「……朝女の子たちに囲まれてたことが関係してたりする?」
ぽつりと零した言葉に見られていたのかと息を飲んだ。
JH「見てたの?」
「教室入ろうと思ったら廊下に居たから入る機会失っちゃって。ごめんね、わざとじゃないんだけど」
JH「それは思ってないよ」
「そっか」
何て答えればいいのか分からず、言葉を詰まらせながらも気にしてくれているのかとどこか嬉しい気持ちがあるのも確かなんだから恋というのは厄介だ。
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moco(プロフ) - はじめまして。引き込まれて夜中まで一気に読んでました^^;素敵なお話ありがとうございました♪続編もお待ちしています(*^^*) (2021年11月4日 19時) (レス) @page50 id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - そのさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです😭貴重なお時間を割いて感想を書いてくださり本当にありがとうございます! (2021年10月19日 13時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - はじめまして。この作品を読んでとてもあたたかい気持ちになりました。私はジョンハンペンなのですが、切なく儚く恋しい青春の1ページを切り取ったようなこんな素敵な作品に出会えて、大好きなお話がまた一つ増えました。また他のお話も楽しみにしています☺︎ (2021年10月19日 10時) (レス) @page50 id: c07bdef56b (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - つな缶の神様さん» 久々に小説を書き、めちゃくちゃドキドキしながら投稿したので、そう言っていただけて嬉しいです!こちらこそ貴重なお時間を使って読んでコメントまで残してくださってありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
つな缶の神様 - とても続きが気になります!素敵な小説を書いてくださって、ありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) @page8 id: cd2586cfeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろもち | 作成日時:2021年10月14日 9時