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欲しいからといって空は手に入らない、欲しいからといって輝く星は手元に飾ることは出来ない。
喚いたってどうしようもないことだってあるのよ。
Aは諭すように静かに言うと、彼女は瞳に涙を溜めて唇を噛み締め俯く。
JH「……君が俺をどう思ってたのかは分からないけど、俺もただの1人の男で、他と変わらないのは事実だよ。どうしたって好きな子に優しくしたいと思うし、その子に誤解されたくないから他はどうでもいいと思ってるし。だから、君のことは好きになれない」
女子生徒1「………私がこんなことするような子じゃなかったら結果は変わってた?」
JH「…Aと出会ってしまったらやっぱり無理だと思う。自分でもいつからだとか、何がとか、明確には答えられないんだけど、でも、ふとした時に考えて傍に居て欲しいと思うのはAだけなんだ」
そう言えば、彼女は身体の力が抜けたように床に座り込み静かに泣き出した。
ジスが証拠の映像を提出して被害届を出そうと提案したが、Aがそれに首を横に振って拒否したことにより彼女は不問とされた。
作品は無事復元出来たからコンクールにも間に合うし、今回潰された作品はフェイクだから問題ないと。
SC「まあ、本人がいいならいいんじゃないか?ジスもその映像消してやれ」
スンチョルはただ自体を静観しつつも、Aの意志を尊重してジスに声を掛けた。
ジスも1つ溜息をついてからそれを受け入れて映像を削除すると、彼女自身にその画面を確認させる。
「自分で立てるかしら?」
女子生徒1「馬鹿にしないで、立てるわよ。……今回の件、私は謝らないからね」
「私もあなたの頬を叩いたことを謝りたくないからいいわよ」
女子生徒1「アンタって気弱で守ってもらわなきゃいけないようなやつだと思ってたけど、とんだ曲者じゃない……」
「内に閉じこもるだけなのはもうやめたの。まあ、元から私気弱だなんて一言も言ってないけどね」
意味わかんない、詐欺じゃないのこんなの……と言いながらも、段々と彼女の瞳から怒りが消えていっているのを感じ取る。
彼女は言葉通り自力で立ち上がると、俺らのことをぐるりと見回してから、最後にAをもう一度見、そして静かに教室を後にした。
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moco(プロフ) - はじめまして。引き込まれて夜中まで一気に読んでました^^;素敵なお話ありがとうございました♪続編もお待ちしています(*^^*) (2021年11月4日 19時) (レス) @page50 id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - そのさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです😭貴重なお時間を割いて感想を書いてくださり本当にありがとうございます! (2021年10月19日 13時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - はじめまして。この作品を読んでとてもあたたかい気持ちになりました。私はジョンハンペンなのですが、切なく儚く恋しい青春の1ページを切り取ったようなこんな素敵な作品に出会えて、大好きなお話がまた一つ増えました。また他のお話も楽しみにしています☺︎ (2021年10月19日 10時) (レス) @page50 id: c07bdef56b (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - つな缶の神様さん» 久々に小説を書き、めちゃくちゃドキドキしながら投稿したので、そう言っていただけて嬉しいです!こちらこそ貴重なお時間を使って読んでコメントまで残してくださってありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
つな缶の神様 - とても続きが気になります!素敵な小説を書いてくださって、ありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) @page8 id: cd2586cfeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろもち | 作成日時:2021年10月14日 9時