僕だけのヒロイン【JH】

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今年の実行委員がかなりやる気満々だからか、リレーの練習はほぼ毎日行われた。


Aを1日1回は絶対近くで見られるし、会話も少しだけど出来るだけで嬉しい。


もういっそフられてしまって引き摺ったとしてもこうして傍にいられれば肩書きなんて何でもいいし、友達という肩書きなら恋人なんかよりもずっと壊れにくいからいいんじゃないかという気にさえなってくる。


だけど、それでもその内Aの隣に立つ権利が欲しいと思う気持ちも捨てきれないでいた。









女子生徒1｢ジョンハン君！｣


リレーの練習を終えて教室へ向かおうとしていれば、後ろから名前を呼ばれて振り返る。


俺を呼び止めたのは隣のクラスの100m部分を走る女子だった。


女子生徒1｢ごめんね、呼び止めちゃって。実はジョンハン君にお願いがあって……｣


JH｢お願い？｣


女子生徒1｢私スウェーデンリレーの100m部分を任されたけどあまり足が速くなくて…。うちのクラスの足の速い子達は皆クラス対抗リレーとかに取られちゃったからさ。でね、Aちゃんは気にしなくていいよ、って言ってくれてるんだけどどうしても足を引っ張りたくなくて。このチームで足が遅いのは私だけだし。Aちゃんはコンクールの方もあるし、200m走るあの子はもうすぐ部活の大会もあって忙しいでしょ？だから、ジョンハン君に練習付き合ってもらうの頼めないかなぁって…｣


そう言う彼女は確かにお世辞にも足が速いとは言い難かった。


それに、彼女の言う通りAも200mに当たっているやつも体育祭が終われば自分の部活で忙しく、リレーの練習をこなしつつも部活にも力を入れているのは周知の事実だ。


ダンス部は幸い近いうちにある大会はないからリレーにだけ力を入れられる。


そういうことなら、と頷けば、彼女はありがとうと破顔し、練習するにあたって、もし当日急に駄目だったりとかがあったら困るからと彼女からの提案でカトクを交換した。


ダンス部関係以外で女子とカトクを交換したのはA以来だけど、理由が理由だけに多分何事もないだろうとこの時の俺は特に気にする事はなかった。

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