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美術準備室が妙な空気で満たされる。
初対面の時でさえなかった緊張感に、ごくりと生唾を飲み込んでようやく口を開いた。
JH「Aはさ、勇気を出して告白をして、それを断られたらどう思う?」
時間を掛けた割にあまり的を射ないような質問だ。
それでも、Aは視線を少しだけさ迷わせたあと、はっきりと自分の想いを口にした。
「いい経験させてもらったなって思う。恋をすることも、恋を失うことも、それを誰かに伝えることも、全てが自分の経験として残るでしょ。恋を失った時、その時は辛いかもしれない、でもね、それがまた新しい自分を創るでしょう?私だったら多分創作意欲湧いちゃって止まらなくなるからむしろ感謝するかな」
でも、考え方なんて人それぞれだから何とも言えないけど。
そう締めくくられた言葉は、Aだからこその言葉だなと思った。
JH「めちゃくちゃ恋愛マスターじゃん」
「違うってば。私が友達すらいないの知ってるでしょ?意地悪言うなら聞いてあげないわよ」
ちょっとだけムッと唇を尖らせながらも、ほんのり上がった口角。
JH「意地悪じゃないって」
軽口を叩きながらも、一番言いたい言葉は中々伝えられずにいる俺はあの女子生徒たちなんかよりもずっとずっと臆病だ。
部活後、今日は昼休憩中に進められなかったところをやるから少しだけ遅くなるとAに言われ、それなら俺のために遅れたのだからAが少しでも気遣わなくてもいいようにといつもよりダラダラとダンス部へと居残る。
それを見たジスとスンチョルが、今日の昼の様子を聞きたがったのでAのイケメンな回答を話した。
JS「へえ。中々かっこいいね」
JH「そうなんだよ。俺なんかよりずっとかっこいい。笑ったら可愛いのに性格はどっちかっていうと男前」
SC「ハニ、めちゃくちゃ好きじゃん」
俺がちょっと誇らしげにAとのエピソードを話していれば、スンチョルもジスもなんて言うかちょっと生暖かい視線を送ってくる。
自分で話してて思ったけど、確かに思ったよりもAのことが好きみたいだ。
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moco(プロフ) - はじめまして。引き込まれて夜中まで一気に読んでました^^;素敵なお話ありがとうございました♪続編もお待ちしています(*^^*) (2021年11月4日 19時) (レス) @page50 id: b8fe820ef0 (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - そのさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです😭貴重なお時間を割いて感想を書いてくださり本当にありがとうございます! (2021年10月19日 13時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
その(プロフ) - はじめまして。この作品を読んでとてもあたたかい気持ちになりました。私はジョンハンペンなのですが、切なく儚く恋しい青春の1ページを切り取ったようなこんな素敵な作品に出会えて、大好きなお話がまた一つ増えました。また他のお話も楽しみにしています☺︎ (2021年10月19日 10時) (レス) @page50 id: c07bdef56b (このIDを非表示/違反報告)
しろもち(プロフ) - つな缶の神様さん» 久々に小説を書き、めちゃくちゃドキドキしながら投稿したので、そう言っていただけて嬉しいです!こちらこそ貴重なお時間を使って読んでコメントまで残してくださってありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) id: 726cd132f0 (このIDを非表示/違反報告)
つな缶の神様 - とても続きが気になります!素敵な小説を書いてくださって、ありがとうございます! (2021年10月14日 18時) (レス) @page8 id: cd2586cfeb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろもち | 作成日時:2021年10月14日 9時