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振り向いた少女からは何の感情も読み取れない。少女の目はここではない、どこか遠いところを写しているようだった。
『どうして両親がいないかなんて………そんなの、こっちが聞きたい』
少女の言葉を合図に夜空を覆う黒い雲から音を立てて雨が降り注いだ。そう遠くないところからは雷鳴が鳴り響いている。
木々のざわめきは次第に激しさを増し、押し寄せる波の音がさらに大きくなった。
全身が濡れるのも構わず、男は少女を黙って見つめている。濡れた髪から覗く少女の目には怒りと共に深い悲しみの色が宿っていた。
激しい雨音に書き消されながら、暗い目をした少女は静かに言葉を紡ぐ。
『教えてよ。どうして、私の両親は殺されたの？どうして、私の故郷は滅ぼされたの………？』
強風が吹き、大粒の雨が容赦なく打ちつけた。突然の嵐に眠っていた鳥たちが慌てて飛び去る姿が見える。
おそらく、少女の声は男の耳に届いていないだろう。しかしながら、少女の怒りと悲しみだけは男にしっかりと伝わった。
男はふと空を仰ぎ見る。穏やかだった天候が一瞬にして変わったことに強い疑問を抱いたからだ。
天候というものはもともと予測がつかない。意のままに操ることができるなら、それは航海士たちにとって願ってもないことだろう。
再び視線を少女へと戻した後、男は1つの答えに辿り着く。男自身、その答えに驚いているようだ。
「キミ、まさか_____」
突如、大きな雷鳴が轟いた。
男はとっさに後ろに飛び、来るであろう衝撃をかわす。その直後、轟音と共に稲妻が落ち、辺りは煙に包まれた。
次第に煙が消え、その光景が顕になる。先ほどまで男がいた場所はまるで隕石が落ちたかのように地面が抉れていた。
｢やはり能力者か。しかもこれは………｣
『………壊してやる。町も、家も、人間も！目に入るもの全部壊してやる！！』
少女の強い叫びは轟音にかき消されることなく、強くはっきりと響き渡る。
｢………ふむ｣
次々に落とされる稲妻を軽々と避けながら、男は少女の元へと足を進める。
落ちる場所を予測しているかのようなその動きに少女は鬼神の如く怒り狂った。
『っ、消えろ！この世界なんて………全部消えてしまえばいい！！』
少女の思いに応えるように嵐は激しさを増していく。
やがて男は少女がいる場所まで辿り着き、自身に向けられた鋭い視線を正面から受け止めた。
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うさこ - 続き楽しみです (11月2日 4時) (
レス) @page29 id: acedfd8679 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？出来れば、トラファルガーローオチでお願いします🥺続き待ってます。頑張って下さいね。 (8月20日 2時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - もう、書いていただけないのでしょうかぁ… (5月1日 19時) (レス) @page29 id: d3adcc0fb3 (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - ついに夢主を認識しましたか！キャプテンがこの後どうするのか、夢主ちゃんとどうなるのかすごく気になります！大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます！！ (2023年1月17日 17時) (レス) @page28 id: aaa7af5a28 (このIDを非表示/違反報告)
りりあさん。 - あ“あ”あ“あ”あ“続きまってますううう！！！！！！！ (2022年11月15日 21時) (レス) @page25 id: 60176f6c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チャシャ猫 | 作成日時：2021年8月23日 0時
