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『ぐっ………！！』
突然のことに頭の中は真っ白になる。鋭い痛みに耐えきれず、私はその場に崩れ落ちた。
身体の至るところから悲鳴が上がり、叫びだしそうになるのをなんとかこらえる。
『はっ、はっ、はっ………』
呼吸が上手くできない。胸も苦しい。身体はしだいに熱を帯び、嫌な汗が出てきた。
力が入らない身体をなんとか動かして木の幹に背中を預ける。そこでようやく、何が起きたのか理解できた。
“死”が近づいている。
『発作、か………』
予想していなかったワケじゃない。珀鉛病を患った日から、こうなることはわかっていた。
「珀鉛」という“鉛”の一種がもたらす不治の病。その毒が体内に溜まった患者は肌や髪が白くなり、全身の痛みが発症した後、やがて死に至る。
珀鉛病を患った者に等しく訪れる、逃れられない運命。一度発症すれば誰にも止められない。
『ぅ………』
これでも私は医者だ。自分の寿命くらい、両親が残した医療データを元に算出している。もちろん、私の場合は少し特殊だけどね。
でも………それは誤算だったみたい。現にこうして発作が起きてる。そう遠くない内に私にも“死”が訪れるだろう。
『っ………ぁ………』
死ぬのは怖くない。だって最初からわかっていたことだ。今さら恐れたって、どうしようもない。
自分で自分の身体を
『………っ、はは』
今の自分の感情が可笑しくて、皮肉めいた笑みがこぼれた。
かつて世界のすべてを怨み、死にたいと願っていた少女が、今は素直に“死”を喜べていない。
その理由は明白。
『こんな、とこで………っ、死ぬわけには、いかない、もんね………』
いつからこんなに未練が残るようになったんだろう。滅ぼしてしまおうと思ってた世界も、今は少し違って見える。
『うう………っ』
奥歯を噛み締め、必死に痛みに耐えた。
発作が起きたからといって、すぐに死ぬわけじゃない。少しだけなら、まだ許されるはず。
『せめて………っ、せめて、あの子たちの夢が………叶う、までは………』
朦朧とする意識の中、乞うように海へ手を伸ばす。海の向こうにいるその姿を、頭に思い浮かべながら。
.
.
.
「な、なあ………大丈夫？」
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うさこ - 続き楽しみです (11月2日 4時) (
レス) @page29 id: acedfd8679 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、この小説はトラファルガーローオチですか？出来れば、トラファルガーローオチでお願いします🥺続き待ってます。頑張って下さいね。 (8月20日 2時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
カリリン - もう、書いていただけないのでしょうかぁ… (2023年5月1日 19時) (レス) @page29 id: d3adcc0fb3 (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - ついに夢主を認識しましたか！キャプテンがこの後どうするのか、夢主ちゃんとどうなるのかすごく気になります！大変だとは思いますが、頑張ってください。応援してます！！ (2023年1月17日 17時) (レス) @page28 id: aaa7af5a28 (このIDを非表示/違反報告)
りりあさん。 - あ“あ”あ“あ”あ“続きまってますううう！！！！！！！ (2022年11月15日 21時) (レス) @page25 id: 60176f6c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チャシャ猫 | 作成日時：2021年8月23日 0時
