3話 ページ5
練習を1時間半した後の休憩時間、遂に恐れていた質問が来た。
「そう言えば・・・言っちゃダメかなとは思ったんだけど・・・。」
杏があの本を取り出して目次を開く。
それを見てスバルが笑顔で話しかける。
「その中にAの名前はあるの?」
目次を覗き込めば・・・悲しいことにあるがあんまり目立ちたくない。
『無いよ。私みたいな向こうで平和に・・・死に怯えて暮らしてた人は。』
「意外だな・・・お前が戦わなかったとか・・・。ゲームでは好戦的だったくせに。」
衣更がそう言う。よーーーく分かってらっしゃるな、こと・・・。
嘘だ、バリッバリに戦ってた。オーディナル・スケールもやりこんでる。さっきも言った通り端に載ってるが・・・。
まぁバレないっしょ。←
タブレットでカタログを見れば電子書籍もある、興味本位で購入してみた。本当は学校に持ち込んでは行けないが様々な個人的理由でこっそり持ち込んでる。スマホにタブレット、オーグマー・・・。正直宝物だ。
まぁ何やかんやでそれ以降本の内容に触れられることはなく、無事にその日の練習を終えた。
私はその後近くでOSのバトルがあるため帰らずに温室に向かって電子書籍に自分で作ったブックカバーに見えなくもないカバーをつけて先程買ったものを読み始める。
読み進めていくうちにこの本の作者は誰なんだろう、どこでこんな情報を手に入れたのか、なぜ作ったのか・・・。様々な疑問が脳裏に浮かんでは消えていった。
最後は私のことが書いてある。内容は英雄譚のように聞こえるが全て戦いのことばかり。実力もそこまでなかったし、ボス戦も気が向いたら参加するという形だった私にここに書かれる権利もなければ全て嘘のように聞こえて仕方が無い。
そして・・・この中に私の親友のことは書いてなかった。ユナ・・・ノーチラス・・・。
悔し涙が頬を伝う。
戦えなかったものは存在すら知ってもらえないということか?ひどい話だ。
私はユナと歌うのが大好きだった。
現実世界でボカロやアニソンが好きだと話したとき以来、暇な時はユナのとこに行った。ユナは私以上にあらゆる方面の曲が好きでボカロも知ってる曲は弾いてくれ、私が歌えば手を叩いて上手だと喜んでくれた。
ノーチラスはフルダイブ不適合症状で前線から下ろされたが、心優しいとてもいい親友だった。あちこちに行く時買い物に行く時一緒に来てくれた。
そんな私の様子を見てた影に気づかず、私は泣き続けてた。
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全自動駄作製作機(プロフ) - 、さん» 忘れてました!ありがとうございます! (2018年9月2日 22時) (レス) id: 4725498c9f (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグちゃんと外しましょう違反行為です。ルールをちゃんと守りましょう (2018年8月22日 19時) (レス) id: f26f3adf4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Dear. Music『@』. 別アカ:全自動駄作製作機 | 作成日時:2018年8月22日 18時