大好きだよ…【白黒無常】 (ページ11)

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9.1捨て子~過去編1~ ページ11

「こんな子いらないわ」

どうしてそんなこというの?
ママ…ここどこなの？

「ここら辺に捨てよう、あまり人が通らない場所だ、明日には逝ってるだろう」

パパまで、寒いよ…ここ寒いよ

ねぇまって、どこ行くの？

どうして私をしばるの?

『パパ、寒いよ、一緒に行きたいよ。』

無視しないで…嫌だよ！私まだ二人といたいよ！

『パパ!ママ!私はここだよ、これほどいて!』

「貴方なんて産まなきゃ良かったわ」

私の何かが切れる音がした。

あぁ、私は生きてた価値が無かったんだ。

ここで死ぬんだ。理解したよ。

雨の音が聞こえなくなった、寒さも感じなくなった。さっきまでの狼の声も聞こえなくなった。

もう何も考えたくない。無でいたい

これ以上考えたら涙が出てきそう

『あぁ、死ぬしかないんだ』

ﾊﾟﾀｯﾊﾟﾀｯﾊﾟﾀ

『…?』

上を見あげれば男性が私に傘をさしていた。

?「可哀想に…今解いてやろう」

『俺』の事なんてどうでもいいのに…

『死なないと行けないんだ…ほっといてくれ』

?「何言ってるんだ、お前さんまだ子供なんだぞ?名前はなんだ?」

『俺の名前は…』

『…名前なんてねぇよ…』

?「女の子なんだから『私』の方がいいと思うぞ?」

『もう誰からも期待されてねぇんだ、可愛くしなくてもよくなった』

そうだ、俺は少しでも気に入られたくて可愛くしようとした。本当は最初っからこんなが良かった。だけど、

『どれだけ頑張っても…見向きもしねぇんだよ…』

?「はぁ…雨が酷くなる前に帰ろう。」

『は?なんで俺が…』

?「実は見てたんだ、あんなの見てほっとく訳にはいかない」

『なんで…そんな…』

?「いいから行くぞ、『A』は行くとこ無いだろう?」

『あ、A…』

?「あぁ、今日からお前は俺の娘のAだ、な?それともこんなパパは嫌いか?」

と言いこの人は笑いだした。

『名前…なんだよ…』

レ「俺の名前はレオだ、よろしくな、A」

『っ…パパとは呼ばねぇ…だけど…』

レ「?」

『娘には…なりたい』

あ、なんか目が合わせない。
レオは俺が居ても迷惑じゃないのだろうか。
俺は嫌われないだろうか。嫌われてもいいようあまり深入りはしないどこう、

そういうことばかりが俺の頭の中にあった。

レ「そうか、なら早く家へ帰ろう、ママも待ってるぞ」

『っ……あぁ』ｸﾞｽｯ

涙で視界がぼやける中、うっすらとレオが見える