剣士と診療所 ページ7
福沢は、夏目からの指示により、一人の男を
護衛することになっていた。
その男というのは、どうやらこの診療所にいるらしかった。
扉を開けると、男がデスクに向かい、何やら
仕事をしている。
「ああ!やっと来た。ほう、貴方が福沢さん
ですか」
白衣を引っ掛けた男がいう。
ニコニコと笑みを浮かべながら、回転椅子から立ち上がった。
森「私が森鴎外です。初めまして」
福「福沢だ。こちらこそ」
福沢は部屋の中を見渡した。
するとすぐに、異様なモノが目に止まった。
___________子供?
それは七、八くらいの少女だった。
髪を一つの三つ編みに結び、狐のお面をつけている。
異様な少女。
目線は存分に目の前の本に注がれている。
タイトルは________《水晶のピラミッド》?
作者は_______駄目だ、手で隠れていて、よく見えない。
タイトルだけだと、幻想小説なような気もするが、いずれにしても随分と年齢層のかけ離れた本を読んでいるようだ。
あとで本屋に行ったら、この本を見かけた。
ミステリーの話だった。
残念ながら、急いでいたもので作者はハッキリ記憶していない。
少女は福沢に気がつくと、一瞬面喰らった顔をしたが、すぐに目線を逸らし、真下の活字の方へ向けた。
福沢はなぜか、彼女と一回、会ったことがあったような気がした。
それに気づきいたのか、鴎外が話しかけてきた。
森「おや?気になりますかな?」
福「いや」
福沢は首を横に振った。
森「そうですか」
少女は本を閉じ、椅子から跳び降りて、向こうのほうへ行ってしまった。
福沢の方を一瞥した彼女の目は、深い翠色を
していた。
吸い込まれそうなほど、美しい目。
だがその目は同時に、ガラス玉のような無慈悲さを持っていた。
どことなく、乱歩と彼女が重なった。
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この作者(丸ノ内マルフォイ)は島田荘司が
大好きなんです。許してね。
いいよね、島田荘司。いいよね、御手洗くん。
ついでにいっとくと綾辻行人、内田康夫、
京極夏彦なんかも大好きなんでさあ。
いいよね、島田潔君、光彦君、京極堂。
誰か同士の方…!
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作者名:丸ノ内マルフォイ | 作者ホームページ:http://subetenohazimari
作成日時:2019年10月28日 22時