【まほやく】異世界で行方不明だった幼馴染と再会した。【男主】 (ページ8)

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再開した幼馴染が七人ページ8

「料理屋をしていたなら、人前には慣れているでしょう?」

「人間のフリをして店を開いてたんだ。魔法使いの飯屋なんて、よっぽどの物好きか魔法使いしか来ないよ。

魔法使いだって名乗った途端憧れられたり、羨まれたり、疑われたり…煙たがられたり、怖がられたりする。

そういうの…もう疲れたんだ。」

「ネロ…。」

「あんたやアーサーなんかは、魔法使いのために頑張ってくれるつもりみたいだけど…。

今更、変わりはしないよ。

魔法使いじゃないフリをしてれば煩わしいことすべてから解放される。」

「神から授かった特別な奇跡の力を人の為に使わずに、自分だけ楽な日々を送るつもりですか?」

『んぐっ、!?

…ゲホゲホ…ッ!!』

「え、A、？………大丈夫？」

パンを頬張りながら晶やネロの話を黙って聞いてたがリケくんの一言に思わず噎せてしまった。

『だ、大丈夫……。

ごめん、話の腰折って…続けて……？』

「はは…まぁ、なんだ………朝からきつい台詞だな。

おはよう、中央のおチビさん。

朝飯はどうする?」

「僕は穢れた食べ物は口に出来ません。」

「は?腐ったものなんか出すかよ。

俺の衛生管理にケチつける気か?」

「そういうわけじゃ…。僕は聖なる豆と、聖なるミルクと、聖なる卵と果物しか食べれないんです。」

「なにそれ……。絵に描いてみてよ。」

「………。

こういう、赤いのとか……。

こういう、黄色いのとか……。」

リケくんの手元を横目で見てみると果物を描いてるようだった。

多分りんごとバナナ…。

「はいはい、バナナにリンゴね…子供なんだからもっと栄養取れよ。

主食は?パンは食えるのか?」

「パンは食べれます。」

「わかった。」

ネロは魔法を使わずに手際よく、調理器具を使いこなして料理を始める。

キッチンに小気味良い音が響いて…

さっとした見事な手さばきは頼もしく、まるで楽器の奏者やダンスのようで見ているだけで、わくわくした。