【まほやく】異世界で行方不明だった幼馴染と再会した。【男主】 (ページ26)

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再会した幼馴染が二十五人ページ26

「オレは孤児だ…家族の顔は知らない。

魔法が使える分、食うのには困らなかった。」

「忌み嫌われるって言葉を知る前に、忌み嫌われることにも慣れた。

簡単さ、仲間を望まなければいい。

どこにいてもここは自分の場所じゃないと承知していればこの心は傷つかない。」

言葉通り傷ついた様子もなく、シノくんは堂々と身の上話をする。

そんなシノくんの声が、急に柔らかくなった。

「…だが、色々あって運良くブランシェット家に雇われた。

ブランシェット家は天国だった。

旦那様も、奥様も、ヒースも優しくて…仲が良くて、理想の家族だった。

直接話したことはなかったが彼らの役に立てることが嬉しかった。」

シノくんは続ける。

「だが、ある日俺のところに奥様が直々にやってきた。

ヒースを連れて…」

“シノ、魔法使いなんですって?

ヒースクリフもそうなの。”

“だからこれからヒースと仲良くしてあげてね。”

「………。」

そこまで言い終えたところでシノくんが黙り込んでしまう。

…シノくんの表情からみて…何となく察せる…

「…ヒースの友達になってくれと、奥様に言われたあの時…初めてここは自分の場所だと思えた。」

「魔法使いで良かったと思った、魔法使いだから奥様が話しかけてくれた。

ヒース坊っちゃんとも友達になれる。

嬉しかった…、ヒースだって喜んでくれた。

オレはこの家族のために何でもしようと思った。」

『…ソレが、過去のヒースクリフくん？』

「…あぁ、今のヒースは違う………。」

「違うって…」

「魔法使いだってことを隠したがる。

旦那様や奥様が、良くない噂をされるからな…。」

「………」

「くだらないことを言う連中なんてどこにだっている、気にしなきゃいい…そう言ってもヒースはだめなんだ。

オレにとっては誇りになったが、あいつにとっては魔法使いでいることが恥ずかしいんだよ。

貴族の坊っちゃんだし、色々あるんだろ。

…仕方がないが。」

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