【まほやく】異世界で行方不明だった幼馴染と再会した。【男主】 (ページ16)

今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:11,545 hit

再開した幼馴染が十五人ページ16

「「…と、言いたいところじゃが………。」」

「ファウストの懸念はもっともじゃ。

そうならんようにオズを説得して、

ミスラたちを従えたかったんじゃがのう…。」

「人々が最も恐れる魔法使いはオズ…

そして、北の魔法使いたち。

その者たちが手を貸すと分かれば、人々も安堵するじゃろうが…」

「その者たちが従わんとなれば、人々の不安は募る一方じゃろう。我らがひとつになったと思えんからのう。」

「じゃあ…せっかくお洒落をしていっても、誰も歓迎してくれないの?」

『そんなことない、と思うよ…

人間達全員が心無い人たちってわけじゃないからね。

だからクロエくんを歓迎してお洒落な服を着ても素敵だね、ってお迎えしてくれる人も少なからず居る筈だから…！』

「そうだな…俺たちが堂々としていればいいだけだ。

オズを説得できなかったことを嘆いていても仕方がない。

それに、アーサー殿下がその分対策を立ててくださっているだろう。」

　

『そうそう！』

「ええ…私たちが神の使徒として、心から人々に尽くすことを示せば人々も安心するでしょう。」

「尽くすだと?オレたちは奴隷じゃない。」

「シノ…」

「選ばれたくもない役目に選ばれた。

その上…何故他人に媚びる必要がある。」

「与えられた奇跡の力を、世のために役に立てるのは、当然のことではないですか?」

「オレが誰の役に立つかはオレ自身で決める。

ブランシェットの旦那様と奥様のためになら、死んでもいい。

だが、オレの力が借りたいのならそいつらが頭を下げるべきだ。

何もせず文句を言う連中のご機嫌を取るなんて、まっぴらごめんだね。」

「そのような考えは横暴です。

私たちは人より、恵まれているのに…。」

ん〜…、俺的にはシノくんの意見にぐうの音も出ないなぁ〜。

だけど、リケくんは外の世界を知らなそうだから……
そう思い込むのも頷けるんだよなあ。

「恵まれてる?石を投げられるような役目がどう恵まれてるっていうんだ？

＜大いなる厄災＞と戦ったって、世の中との評判と戦ったって俺たちは何も手に入らないっていうのに。」

「みなさん落ち着いてください…。

それでも私たちがいることで誰かの希望になるはずです。

希望を思い出せば人々も心穏やかになるはず。

石を掴む手もきっと無くなります。」

.