温かさを知ってしまったから ページ20
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「何故俺まで……」
「仕方ないでしょ、護衛なんだから」
宿儺をランニングに付き合わせている。
みんな体育祭に備えている。ここで私が呑気にしている場合ではない。
それに、少し気分を紛らわせたいのもある。
「負けるわけにはいかないの」
「……はぁ」
潮風が気持ちいい。
ランニングコースにしては少し贅沢かもしれない。
ただ、何気に海沿いはカップルが多い。
青春だねぇ。
……そういえば。
「ねぇ、私たちって恋人で良いの？」
「そうではないのか」
即答。
なんかむずかゆい。
おばさんには少々むずかゆすぎるのだ。
恋愛経験って大事なんだな……。
「別に俺はオマエに恋人らしいことは求めん。側にいてくれれば十分だ」
「え、そうなの？意外に欲がないのね」
「なんだ、朝までたっぷり可愛がられたいのか？」
「な！そ、そういう意味で言ったんじゃない！」
ケヒヒ、と宿儺が笑う。
くそ…そういう経験は宿儺の方が上だからか、余裕がある。
「マジでそういう経験ないのが仇となってる気がする……」
「なんだ、前世では恋人の一人もいなかったのか」
「記憶にはない」
なんかひたすらに漫画読んでるだけの生活だった気が……。
いゃ、でも一人ぐらいはいたのか？
思い出せぬ。
やっぱり、思い出せない記憶が私には多すぎる。
時々、宿儺の“夢”という言葉が引っかかる。
「……ねぇ宿儺。小さい頃の生得領域での話覚えてる？」
「オマエが俺に秘密を話した時のことか？」
「そう。……私、夢を見ているのかな」
思わず私の足が止まる。
沈んでいく太陽が、私たちの顔を照らす。
この世界が全て私の夢の中で、夢から覚めたら全部忘れちゃって。
この温かさが全て泡沫のように消えてったら。
私は多分、空っぽな人間になってしまう。
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夜椿 - 本当に犬○叉っぽく感じてきちゃった！おもしろいです！ (3月14日 7時) (
レス) @page13 id: d279ec966d (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - 素敵な作品です、、、！！これから夢主ちゃんがどんなふうに成長するのか楽しみです。 (3月8日 19時) (レス) @page47 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
妃夏(プロフ) - MR サナリアさん» 皆様に同じ返しになってしまうのでコメント返しは控えていたのですが、一応返させていただきますね。誤字だとは思ってましたが、わざわざ訂正ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします…！ (2月29日 21時) (レス) id: f1fc2f5254 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 今見たけど…髪小説じゃなくて神小説です。 (2月29日 21時) (レス) @page20 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - あぁ。ただの天才が髪小説を書いているだけだ。←褒めてます。 (2月28日 16時) (レス) @page15 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃夏 x他1人 | 作成日時：2024年2月25日 12時
