▷ ページ19
・
「……オマエにさらに衝撃なことを言うが、良いか？」
「え？」
「どうする」
宿儺が真剣な表情で確かめてくる。
宿儺なりに気にしてはくれているようだ。
どんなに衝撃的なことでも聞いておくべきだろう。
私は小さく頷いた。
「妖狐はその小娘が内通者と言ったようだが、俺は妖狐の方が内通者だと感じている」
「！？」
九尾様が内通者？
いゃ、おかしくはないのか？
急に内通者の話をし出したし、さっきも別に茉莉花ちゃんに聞かれる訳ないのに部屋の周りに誰かいないかを気にしていた。
宿儺が私のイヤリングに触れる。
「あの事件の時、あの妖狐が自身の術でやってきた。……この耳飾りで位置情報とやらが知られているのではないのか」
「！」
「あの妖狐にバレない程度の小細工はした」
宿儺がイヤリングから手を離した。
どうしよう、疑えば疑うほど、皆怪しくなってしまう。
「まぁ、あの妖狐がオマエを裏切る様なことをする訳ないと思うがな。そもそも、内通者なんて存在しな…………大丈夫か」
大丈夫か、と聞かれて初めて自分が泣きそうになっていることに気づいた。
私は袖でゴシゴシと目を拭く。
「宿儺は……私のこと、裏切らないよね？」
「何故オマエを裏切るのだ」
「だって、興味が無くなったら宿儺は私のこと…切り捨てるんじゃない……？」
宿儺の表情が固まった。
うわ…やばい、めっちゃ重い女みたいな発言だった？！
やらかした。
宿儺の機嫌を損ねてしまっただろうか。
「すく……なっ？！」
頬を引っ張られる。
「阿呆。愛してる女のことを切り捨てるわけなかろう」
「！」
真剣な目。
鼓動が早くなるのが分かる。
この言葉に嘘偽りなどない。
信じよう、私の宿儺を。
(むしろ、俺がオマエに嫌われないかが不安だというのに。……変わりすぎたな、俺も)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜椿 - 本当に犬○叉っぽく感じてきちゃった！おもしろいです！ (3月14日 7時) (
レス) @page13 id: d279ec966d (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - 素敵な作品です、、、！！これから夢主ちゃんがどんなふうに成長するのか楽しみです。 (3月8日 19時) (レス) @page47 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
妃夏(プロフ) - MR サナリアさん» 皆様に同じ返しになってしまうのでコメント返しは控えていたのですが、一応返させていただきますね。誤字だとは思ってましたが、わざわざ訂正ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しい限りです。これからもよろしくお願いします…！ (2月29日 21時) (レス) id: f1fc2f5254 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - 今見たけど…髪小説じゃなくて神小説です。 (2月29日 21時) (レス) @page20 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - あぁ。ただの天才が髪小説を書いているだけだ。←褒めてます。 (2月28日 16時) (レス) @page15 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：妃夏 x他1人 | 作成日時：2024年2月25日 12時
