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「じゃ、じゃーん！ハルちゃんだよ！！」
「お前っ……!!」
凪沙は、嘘だろ？という顔をしていた。
「なんとバチ当たりな……。」
神の中でもまともな、龍神は頭を抱えた。
この神社を守っていたであろう、遺体(？)を持ってくるなんて……相当バチ当たりだろう。
しかし、一か八かなのだ。
ハルに、もし……更なる強い力が宿っていれば、Aが有利になれるかもしれない。
けど、この体と…魂をどう合体させるか。
もう時間はなかった。
Aはボロボロに近い状態だった。
このままでは、魂は消えてしまう。
「……私は二度も彼女を殺した……。今度は殺さない……!!」
「……!!」
瀬織津が持っていた石が、光出した。
そして…カタカタと動き始め、宙に浮いた。
まばゆい光が、広がる。三人は、思わず目を瞑ってしまった。
次に目を開けたときは、ハルの体はなかった。
「……市杵嶋の願いに反応した……？」
「……！市杵嶋さん、これをAさんに投げてください!!」
「えぇ？！」
龍神から手渡され、凪沙はその石を見た。
大切な妹の為。この石の力を信じて。
「市杵嶋、早く！！」
「……っ。」
落ちていくAに、届くように……思いっきり投げた。
「間に合え……！！」
○●○
もう無理だと悟った。
私はこの世から消える運命だったのだと。
己に殺される。
やっぱり…自分のドッペルゲンガーに会うと、死ぬんだよ。
私は、海へと落ちていく。
「間に合え……！！」
『……!!』
その声と共に、まばゆい光に包まれた。
何故だか、とても懐かしい。
私は……知っている。この感覚を。
「…な、なんだと……。」
『……ありがとうお姉ちゃん。別に私……恨んでなんかいないんだよ？』
魂だけだった私に。空っぽの体。
この体は、紛れもなく……昔の私。
お姉ちゃんは覚えてるか分からないけど……。
どうせ、今の私の体だと思ってたんだろう。
せっかくまたもらった命。
派手に炎でも使わせていただこうじゃないの。
もう、私には大切な者はいない。
だけど……守りたいものはあるんだ。
『覚醒した私の力……見せてあげるよ。』
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作者名：妃夏 | 作成日時：2020年11月17日 21時
