大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ6)

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待ちに待ったメンバー内運動会。

別に待ってなんかないけど、

と心の中で思いながら、

俺は山田が出ている棒倒しという競技を

見ていた。

隣にいる知念と話ながら…。

ch 「で。涼介の家に行ったっていうのに、本当になんにもなかったの？」

「だから、そんなんねぇって。ただゲームしただけだよ」

ch 「…嘘、ありえない。変態な涼介が、二人っきりになったのに襲ってこないなんて…！」

ムンクの叫びみたいな顔をしたがら

驚いている知念。

顔が大変なことになってますぜ、知念さん。

もとに戻せ～。

「山田が俺に手、出すわけないじゃん。そんな対象にならねぇよ」

ch 「でも、付き合ってるじゃん」

「だーかーらー、それは期間限定の偽者だよ」

知念は本当のことを、言ってるから、

1ヶ月間だけ付き合うことになったことも

知っている。

それなのに、なぜか納得いかないみたい。

ch 「おかしいって。仮にも付き合ってたら、ちょっとくらいはいいかなー？とか思うもんでしょ！キスの1つもしなかったの！？」

ドキッ。

〝キス〟という単語に反応してしまう。

あの日山田は、部屋で俺に…キスしようとした

…気がする。

本人いわく、まつげを取ってやろうと

思っただけらしいけど。

あ、思い出したらイラッとしてきた。

ch 「え、なにその間…。キスしたの！？」

「してねぇよ！」

ブンブンと首を降る。

するわけねぇじゃん！

山田と俺が？ありえねぇ！

「どうせ、俺はブスだし！」

ch 「え、ブス？」

俺の突然のブス発言に

びっくりしてらしい知念は、

本気で心配したように顔をのぞきこんできた。

ch 「大貴…大丈夫？」

ごめん。

無意味に心配させてごめんな。

本気で謝るよ。

俺はいたって正常だと言うことを伝えると、

知念はそう、と呟いた。

ch 「でもまぁ…涼介、手出さなかったってことは、本気で大貴のことが大切なんだね」

ん？何を言い出すんだ、知念。

「そんなわけねぇじゃん。何を根拠に、そんなこと言うんだよ？」

山田の行動に、俺は振り回されてるし。

ch 「本当大貴ってバカ。見てみなよ、あの涼介を。あんな必死になって棒倒しにいってんじゃん」

知念は棒倒しを見ながらそう言った。

「なんで、あんなにやる気になってるんの、山田は」

俺はぼんやりと呟いた。