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ym 「分かったら、さっさと消えて?」
顔は見えない。
だけど、すごく怒ってるのが分かる。
初めて聞いたかも。
山田のこんな低い声。
…お願いだから、こんな所で喧嘩するなよ。
『まぁ、別にいいけどさ。他探すし〜』
幸いにもおじさんは、すんなり去ってくれた。
ホッと安堵の息がもれる。
が、肩のちからが抜けた直後。
ym 「なにしてんの、大ちゃん」
「……!!」
クルっと振り返った山田に、
俺は一瞬にして肩がビクッと強ばった。
これこそ、Theヘビに睨まれるカエル状態だ。
あ〜、きっと怒ってる。怒られるに違いない。
グッと拳に力を入れ、怒られる覚悟を決めると
目をキュッとつむった。
ym 「このバカ!なんで他の男に触らしてんの!」
「は?」
拍子抜けしてしまった。
てっきり、低い声で怒ってるのかと思ったら、
山田は焦ったような、
困ったような表情で俺を見ている。
一応、怒ってんのかな、これ?
だけど全然怖くない。
ym 「勝手にいなくならないでよ!探したじゃん!危うく迷子センター行くところだったじゃん!でもどこが迷子センターか分からなくて、途中から大ちゃんじゃなくて迷子センター探しちゃったじゃん!」
…呆然。
日本語おかしいよ、山田。
山田の言葉が迷子センター行きだ。
「ごめん…」
ym 「許さない」
「…っ」
さっきのおじさんが触れてた肩に、
ポンッと頭を乗せ、ため息をつく山田。
ym 「人が油断してる隙に勝手にいなくならないで。俺がどれだけ心配したと思ってるの
…ドキン。
あれ?
おじさんに触られた時は気持ち悪いって
思ってたけど、山田は全然イヤじゃない。
ym 「あー、すごい焦った。ほんとどうしようかと思った。やっぱダメ。大ちゃん、俺の手離さないで。しっかり握ってて。じゃないと俺が不安になる」
首筋に甘えてくるように顔をうずめる
山田の髪が、くすぐったい。
ギュッと手を握られて、
その部分から熱を帯びていくのが分かった。
心臓の音が少しずつ速くなる。
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作者名:ありちゃん | 作成日時:2020年2月11日 13時