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鼻をすする音と、俺の声だけが、
この部屋の中で響いている。
「いのちゃんこと、大好きだったのに…っ」
涙が、山田の服を濡らしていく。
汗よりたくさん、跡をつけていく。
「…急に別れるなんて言われて、気持ちの整理がつかない…っ。最低なことされたのに、いのちゃんを見ると、まだ揺らぐんだよ…っ」
痛い。
膝も、心も…全部が痛い。
「そんな自分が嫌で、どうすればいいかわかんねぇ…！」
そっと背中をさすってくる大きな手が、
少しずつだけど、その痛みを溶かしてくれる。
大ちゃんは何も悪くないって、
そう言ってくれてるみたいだった。
「忘れてぇのに…わかんねぇ」
なぁ、だからさ、山田…。
「…助けてよ…」
やっと弱音を吐ききると、
子供をあやすみたいに俺をなで続けていた
その手は、やがてポンッと頭に乗っかった。
ym 「任せてよ」
強く放たれたその言葉は、
ずっと前から決心していたような、
そんな力強い声。
ym 「忘れさせてあげる。俺が」
揺るぎない何かを感じる。
強い意思と、貫きとおすという信念。
リレーでコケたのに…。
落ち込んでいるのに…。
膝が痛てぇのに…。
顔が涙でぐしょぐしょなのに…。
最低なのに。
どうしてこんなにも、心の奥は温かくて、
晴れやかなんだろう。
2個目のお願いは、あまりにも優しくて。
俺の胸を締め付けるには、十分だった。
ぶっきらぼうひヒーローに、
この日俺は救われた。
♡作者より♡
yuriaちゃん
コメントしてくれてありがとう(*´ω｀*)
更新頑張ります！
yuriaちゃんの小説もすごい面白いよ！
一ファンになりましたっ!！
応援してます！
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作者名：ありちゃん | 作成日時：2020年2月11日 13時
