大ちゃんは、俺のだから。-second-【ar×ym】 (ページ17)

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だけど山田は、まだ俺から離れようとしない。

ずっと真っ直ぐ、変わらずに俺を見つめてくる

…山田、その顔で見るのは反則だ。

ym 「弱い自分を見せたくないっていう、大ちゃんの気持ちも分かるけど、でもそれ、間違ってるよ。大ちゃんばっか我慢しなきゃいけないの？俺ぐらいにはそれ、言えない？」

…大切な人に告げるみたいに優しいその声に、

涙腺は緩みまくる一方。

俺の勘違いも、いいとこだ。

「…そ、そんな自分勝手なこと、誰がするか」

案の定、声はみっともないくらい震えていた。

なのに目の前にいる山田は、

俺のことをバカにしてこない。

相変わらず優しい手で、俺の頬をなで、

涙をすくった。

ボヤけてた視界が、鮮やかになる。

ym 「勝手でいいから、素直になってよ。わがまま言って、俺を困らせてみてよ。仕方ないから、俺が助けてあげるって言ってんの」

「……っ」

……泣くもんか。

耐えろ。耐えろ。

ym 「大ちゃんがコケたら、俺が何度でも助けてあげる。だから我慢しないで。大ちゃんの分も俺に背負わせればいいでしょ。……そのために、俺はいるんだから」

━━ポロッ。

…なんだこれ。

もう止まんねぇ。

止め方がわかんねぇ。

俺はパッと、両手で自分の顔を覆った。

山田のせいで、今までたまってた俺の涙が

溢れかえってくる。

これはきっと、今日の分だけじゃねぇ。

いのちゃんに傷つけられて、

ずっとずっと苦しかった

俺の気持ちも…今、涙となって溢れてくる。

山田は立ち上がると、俺の手を掴んだ。

そして、を覆ってる手をどかそうと

してきたけど、

俺はグッと力を込めてそれを阻止する。

ym 「手、どけて」

「…イヤだ」

ym 「なんで？」

無理矢理、強引にでも、

山田の手は俺の涙を表に出させようとしている

心の奥にせき止められていた思いを、

全部見せてと言わんばかりに。

ym 「見せてよ。大ちゃんの顔」

それは、強引なくせに、すごく優しい手だった

覆っていた手は離され、泣き顔があらわになる

弱い部分を見られた。全部、山田に。

「…なんで…っ」

よく分からねぇ感情が俺を支配していって…。

自分が情けなくて、くやしくて。