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ym 「ほら、どれがいいの。選んで」
山田はホントに俺のを買うつもりで、
しっかりドーナツを取る用意をしている。
「じゃあ…これ」
俺はしぶしぶ、前に山田が食べてて
美味しそうだと思ったドーナツを選んだ。
山田はレジに言って、そのドーナツを買う。
「あれ?山田は食べねぇの?」
ym 「俺はいい。いっつも食べてるし」
ポイントカードを店員に渡しながら、
そんなことを言う山田。
…もしかして。
『お客様、ポイントが貯まってますので、こちらのグッズをプレゼントします!』
そのとき店員さんが、明るい声で
そんなことを言った。
見ると、その手にはこのドーナツ屋さんの
キャラクターのキーホルダーらしきものがある。
ドーナツを食べてるかわいい猫だ。
ていうか、ポイントが貯まったって、
どんだけここ通ってるの、山田。
山田は、持ち帰り用にしたドーナツと
猫のキーホルダーを受け取ると、店の外に出た。
ym 「ほら、食べて」
そして、ドーナツを取り出し、俺に差し出す。
「ありがとな…」
ym 「時間内から、食べたら帰るよ」
「待って、山田」
俺は呼び止め、
手に持っているドーナツを半分に割った。
「半分こ!」
そして、2分の1になったドーナツを山田に渡す
ym 「え?いらないよ」
「なんで?この味嫌い?」
ym 「嫌いじゃないけど…何企んでるの?」
「なんも考えてないよ」
ym 「嘘だ。メイド服は絶対に着せないからね」
…まだその話、引きずってたのか。
「着ねぇよ」
ym 「じゃあ約束して」
「…わ、分かった。このドーナツ受け取って、それで…それくれたら約束する」
俺はそう言いながら、
山田の手の中にある
猫のキーホルダーを指さした。
ym 「え?大ちゃん、これ欲しいの?
か「うん」
「こんなたいして可愛くない猫が?」
「可愛いじゃん」
…それに、山田から貰えるってだけでいい。
それだけで、もう俺の中では特別だ。
なんでこんな気持ちになるのかは…
よく分かんないけど。
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作者名:ありちゃん | 作成日時:2020年2月11日 13時