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ym 「バカなの、大ちゃん」
容赦ないその声に、俺は耳を傾ける。
バカって言うなとか、
そんなことを言い返してる余裕はなかった。
ym 「あれは、キスしそうとしたんじゃない。大ちゃんの顔に、その…まつげがついてたから…!」
「……」
ym 「親切にとってあげようと思ったの!うるぼれんな、ブス!」
━━ブチン。
俺の中で、何かが切れる音がした。
もうさ。
なんか本当に、どうでもよくなった。
「おろせよ」
ym 「は?」
「いいから、早くおろせよ!!」
ym 「うわっ!バカ暴れんな!あぶないだろ?」
無理矢理おりようと暴れる俺を、
とっさに片手で支える山田。
その手はひどく優しい。
だけど俺の怒りは、最高潮に達していた。
「うるせぇな!まつげなんて、人間誰でも抜けるだろ!?山田も抜けるし!よく見てみなよ、もしかして自分は抜けないと思ってた!?」
ym 「…ね、ねぇ」
「歩いて帰る!おろせよ!」
ym 「ちょっと落ち着けって」
「落ち着いてられるかっ!!」
叫びまくったせいで、俺は息が乱れていた。
怒り狂う俺の様子に、山田はオロオロしている
あぁもう…なんでこんなにイライラするんだ。
「別に、送ってくれなくていい。どうせ、俺のこと嫌いなんだろ!?」
バシッと強く、山田を叩いた。
だけど山田は、びくともしない。
それどころか、まるで。
ym 「嫌いじゃない」
まるで、俺の感情全てを受けとめてくれるかの
ような、優しい声だった。
そして、山田は再び言い直した。
ym 「別に大ちゃんのこと、嫌いじゃない」
顔が熱くなっていくのが分かる。
「…う、嘘だ。」
ym 「はぁ?」
「迷惑だって、思ってるくせに」
ym「お前なぁ…」
山田は呆れたように、ため息まじりに呟いた。
ym 「俺が大ちゃんのこと心底嫌いなら、そもそもこんな恋人ごっこなんて、めんどくさいことしないよ」
…なんで。
付き合うとき、嫌だって言ったじゃん━━
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作者名:ありちゃん | 作成日時:2020年2月11日 13時