うらたんが彼氏だったら...

シチュ3 ページ9

うらたサイド



何気なく自分のツイッターを見ていた今日このごろ。

恐らくリスナーであろう、1件のコメントに目が留まった



»そういえば昨日、うらたんらしき人と女の人が手を繋いで歩いているの見た！
»マジで!?
»こたぬきじゃないよな...？



ヤバイ。プチ炎上してる。
つーか見られてたの？


放っておいたら大炎上しかねない。

とりあえず、葵を呼び、このツイートを見せる

葵は強ばった顔をしてスマホを見ていた。

無理もない。
葵も歌い手をやっているため、SNSの情報の速さを知っている。
リスナーの1つのコメントでこれからのことが大きく変わるのだ。



「...葵。生放送でこのことを公開してもいいか？」

いずれは言わなくてはいけないと覚悟はしていた。

葵は少しうつむき、口を開いた。

『...分かった。公開していい。ただし、私も一緒に報告させて。自分のリスナーにもちゃんと説明したい』



俺は迷った。
この報告でアンチのコメントも絶対にでてくる。
そういうコメントを見てほしくなかった。


「本当にいいのか？」
『大丈夫だから。ほら、放送初めよ？』



葵は優しすぎる。
だからこそ心配なんだ。
でも、葵は一度言ったことを絶対に曲げない。
俺はこれ以上言っても、たぶん聞かないと分かった。



「...リスナーにどんな反応をされても、俺は絶対にお前から離れない。
絶対に守る。....約束するよ」

そう言って、俺は葵を抱きしめた。
葵は泣きそうな顔になって、小さく頷く。

俺はもう一度葵を強く抱きしめてから、パソコンをひらき、準備を始めた。



»うらたぬきさんが「大事なご報告」を始めました。

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