セブチの公式彼氏【男主】

19 ページ19

MG side


どうしてこんな愛し方しか許されないのだろう。





心は空っぽなのに張り付けた笑顔がどうしても心地よい。



本心を悟られまいと無理矢理引き上げた口角に安心する。



それは俺の心が壊れてしまったからなのか、俺自身をこれ以上壊さないための自分なりの擁護なのか


ウォヌヒョン曰く狂っている俺にはよく分からないけど全てがAヒョンの為なのは確かだった。




?「...ミンギュさんっ、もっと、、、もっと」




俺に足を絡ませ腰を揺らす目の前の女はどんな名前だったっけ。





"『頼むよミンギュ。俺の顔、立ててくれるよね？』"




そう笑うAヒョンは鮮明に覚えているのに。



.
.
.



ヒョンに声をかけられたのはほんの数日前だった。


『ミンギュ、ちょっと良い？』


音楽番組の事前収録を控え室で待っていた時だった。


『あのね、ミンギュにお願いがあるんだ。』


そう話ながら着いたのは楽屋の隣、誰も使っていない空き部屋。




MG「ヒョンから頼み事なんて珍しいですね!なんでも言ってください!」




俺の勢いに驚きふにゃっと笑うヒョン。



『ミンギュは本当に頼もしいなぁ。』




"だから好きだよ"



そう囁かれる度に俺の思考回路は正常を失っていく。



『あのね先輩にさぁ、事務所の後輩にミンギュ紹介しろって頼まれちゃって。』



どれだけ俺の心を無視されても






『最近デビューした新人らしいんだけど凄く可愛いらしいよ？ミンギュ、女の子も抱けるよね？』




どれだけ俺の心を抉っても






MG「Aヒョンの頼みなら勿論です。」





俺にはYESしか道は無いのだ。

20→←18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す