ただ一つだけの愛 (ページ10)

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突然の出会いと

爆弾発言をされたあの日以降

あいつ

もといユンジョンハンはしょっちゅう私の目の前に現れた。

JH｢あ、Aちゃん。｣

JH｢今日は何限まで？ご飯行こーよ。｣

JH｢どう？髪の毛切ったんだー。｣

JH｢Aちゃん？｣

JH｢ねぇ。｣

JH｢A。｣

最悪な出会いを果たした

氷のように冷たく薔薇のように幾つもの棘を身に纏った男

ユンジョンハンは
　

JH｢ねぇ、A。｣

私の予想を斜め上いく

JH｢今でも俺のこと、可哀想だと思う？｣

“それとも”

JH｢好きになった？｣

砂糖よりも甘い男なのだと知った。

__『ユンジョンハン先輩。私が過ちを犯したのは承知してますがもうそろそろ解放して貰えませんか？』

JH｢なんで？俺、別に怒ってないけど。｣

__『なんでですって？こっちこそ不思議で堪りませんよ。なんでそんなに私に構うんですか？』

JH｢だから言ったじゃん。Aが気に入ったって。｣

あの日一発ぶちかましたはずの一撃は彼の頭に命中したのか。

__『気に入ったって...。名前、いつの間にか呼び捨てにしてるし。』

第一印象からは考えられないほど彼はクールなんかではなかった。

ちょっと図々しい性格をしていて

JH｢Aもさ、先輩とかユンジョンハンとかじゃなくてもっと親しげに呼んでよ。｣

__『先輩は先輩なんで。』

JH｢えー、初対面のときは敬語すら話してなかったと思うなぁ。それを今更“先輩だから”だってぇ？｣

間延びした喋り方は相変わらずイライラするけれど

JH｢ジョンハンって言ってみて。｣

__『そんなっ、』

JH｢それかハニでもいいよ。｣

図々しくて強引で、子供っぽくて、

JH｢ねぇ、A。お願い。｣

__『...』

JH｢A。｣

__『...何？

...ハニ。』

嫌々口を開く私をジッと見つめて

JH｢いい子。｣

そう言って頭を撫でる彼は

思ってたより

魅力的だった。