複雑で単純3 ページ48
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「さ!那須は風呂だし俺らはダラダラしようぜ!」
金指の目の前に広がっていた課題を
おしまーい!と強制的に閉じる。
「うぇーーい!やったー、おしまーい!」
嬉しそうに筆箱を片付けだしたから
やっぱり本心ではやりたくなかったらしい。
「金指、体調はどう?しんどくない?」
「しんどくはない、けどなんか力が出ない。」
「力が出ないってお前、アンパンマンか。」
額に手をあてれば相変わらず熱くて、
今起き上がって俺と話してるのが
不思議なくらいだ。
けどまあ無理やり寝かしたら
可哀想だしな、
藤井くんがいれば
問答無用で寝かしつけられてるけど
今日は俺と那須しかいないしな。
「浮所、」
「ん?」
「今日泣いてごめん、なさい…。」
何かと思えば
金指がこちらを伺うように
上目遣いでこちらを覗き込んでいた。
「なんだよ、お前は。
可愛いなー。」
気にすんなよ、こっちこそごめん、
そんな思いを込めて
頭をわしゃわしゃっと撫でれば
もう!謝ってるのに!
と不服そうな顔で手をペシペシされたけど
それすらも可愛いだけだった。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時