兄たちの心 弟知らず7 ページ45
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俺の家に寄って、浮所の家に寄って
初めて入る金指くんの家。
親御さんはいなくてもなんか緊張するな、
なんて考えていたら
どうぞ、と金指くんが玄関を開けてくれた。
「ただいまー!」
勝手知ったる振る舞いで浮所がずんずんと廊下を進むので俺と金指くんがあとに続く。
「俺と浮所の家寄ったせいで
車の時間長かったけど平気?
しんどくなっちゃったか?」
横をとてとて歩く金指くんの顔色は
撮影してた時よりはマシにみえるけど
車中に感じた横からの体温は
まだ高いように感じた。
「ん、大丈夫。
わざわざタクシーにしてくれてありがと。」
「いや、そんなことは
気にすんなよー。」
「そうだよ、気にすんなよー。」
浮所がぐるっと振り返り
絶妙に腹のたつ俺の真似をしてくる。
「いいからお前そのドア早く開けろよ。」
「はいはい。」
浮所はにやにやしながら
仕方ないなー、と
突き当たりのドアを開けた。
何が仕方ないんだよ、と突っ込むと
仕方ない!と謎に金指くんものってきて
意味は全く不明だったのに
ニコニコしてたのが可愛かったから
俺と浮所は一瞬パチッと目が合ってから
そうかー、仕方ないかー、
金指がそう言うなら仕方ないなー、
なんて意味もないやり取りをしながら
3人で笑った。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時