兄たちの心 弟知らず4 ページ42
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「ん?どした?一世?」
藤井くんが中に入るなり
ソファーに駆け寄る。
いつもなら聞こえる賑やかな話し声もなく、
聞こえるのは微かな声と鼻をすする音、
それからしゃっくり。
金指くんが泣いてると勘づいた俺と龍我も
藤井くんのあとに続いた。
ソファーに腰掛ける金指くんと
その前にしゃがみこみ
ティッシュで涙を拭いながら話しかけてる浮所、
横に座ってそっと見守る大昇。
「ほら金指、みんな来たぞ。
泣いてたら笑われちゃうから
泣き止まないとな?」
大昇が金指のほっぺをつつきながら、
そう声をかけてくれた。
「どうした?何かあった?
誰かに何か意地悪言われた?」
さっきのことがあったせいか、
いつもより低いトーンで
藤井くんが誰にともなく聞いた。
「あ、や、そうじゃ、ないよ、」
まだ呼吸の整わない金指くんが
顔をこちらに向けてくれたけれど
沢山泣いたのか目が真っ赤になってしまっている。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時