兄たちの心 弟知らず3 ページ41
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「ってことなんで!別日がいいですね!
金指凄い成長してますから!大丈夫です!
そうしましょう!お疲れ様でした!」
藤井くんの向こう隣で
龍我があたふたと
藤井くんの様子を伺いながら
無理に話をまとめる。
藤井くんの早口と
龍我の天真爛漫なキャラクターに圧されて
スタッフさんが「あ、いや、」と
言葉に詰まっているその間に
俺も お疲れ様でした、と挨拶をして
藤井くんが無言のまま一礼
踵を返し控え室へ向かって行ったのを
慌てて追った。
「珍しいから焦ったわ。」
龍我が藤井くんを慰めるように
肩をポンと叩く。
「龍我、那須、ごめんね、我慢できなかった。」
振り返った藤井くんは
さっきとはすっかり変わって
眉を下げた困り顔だ。
「いや、言ってくれてよかったよ。
俺めっちゃ腹たったもん。
怒られたくないからって必死かよ!」
「藤井くんが言ってくれて助かった、
俺もっときつく断ろうとしてたところだったし。」
「そう?でもヒヤヒヤさせてごめん。
あんな腹たったの久しぶりすぎて
めっちゃ早口になっちゃったわ。」
反省だな、と呟きながら
藤井くんは控え室のドアを開けた。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時