弟分のSOS! ページ5
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◎りゅうが◎
「ってな感じでね!いま金指に待ってな!って言ったから!明日土曜日だから余裕でしょ!?ね!」
さっきの金指との電話を
すげえ早口で説明する。
だって金指待ってるし。
金指はきっとこの人たちに来てって言えないし。
「一世どんな感じだったの?泣いてた?」
グループ通話で一番最初に口を開いたのは最年長の藤井くん。
「どんな感じもこんな感じもないよ!すごい寂しそうで俺もう走って行って抱きしめてあげたいくらい!早くして!」
「早くしてってお前なぁ…金指の家どこだっけ?」
那須がやれやれみたいに言ってくるけど
そんなの無視。
金指すごく心細いんだと思う。
腰の重い年長組にイライラして机をコツコツ叩く指が止まらない。
「あー!泣いてる!3人がぐずぐずしてる間にも金指が1人で泣いてる!」
「お前の早口の説明ではほとんど状況が把握できねーよ!」
浮所がツッコミをいれてくるけど、
あ、そうじゃん
「浮所が1番近いよね?」
「そうだよ!
俺が行くことになると思ってもう
今服着替えるとこだわ!あーもう!」
浮所がやけクソみたいにそういうから
俺は思わずにやけてしまった。
なんだ、もう行く準備してくれてるんじゃん。
「浮所、何分ぐらいで着けるの?
俺も今から向かうけどまじ終電ギリギリだわ。
那須は明日朝イチで雑誌の取材でしょ?
今日はもう寝て。
一世の様子はまたすぐLINEするから。」
「え、いや俺も、」
「いいから。3人もいたら一世も落ち着かないしね。」
「那須!残念だったな!」
「龍我、お前なあ…」
俺が茶々を入れてる間に
テキパキと話を決めた藤井くんは
やっぱり頼れる最年長で
「龍我、那須は明日仕事だから仕方ないでしょ。
意地悪言わないの。でもありがとう、電話くれて。」
なんて怒られたのか褒められたのか
分からないけどなんだか嬉しかった。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時