賑やかな朝4 ページ24
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「どうよ?」
浮所の手元を覗き込む藤井くん。
昨日から身体がだるいままの俺は
あれ、いま何時だろ、なんて考えて
現実逃避した。
「んーーーー、」
「あぁーーーーー、」
体温計を見て
唸る2人。
「俺病院やだ…。」
縋るように2人を見ると
もう!と言いながら浮所が俺の隣に来た。
「一世、喉以外どこがしんどい?」
藤井くんが俺の手をそっと握りながら聞く。
「し、しんどくない、どこも!」
病院嫌いの俺は必死で否定したけど
浮所が俺を後ろから抱え込んで
こら!藤井くんを困らせないの!
とほっぺを軽くつねられた。
「薬飲む!薬飲むからっ…、ね?」
「いや、薬も飲まないつもりやったんかい。」
浮所が呆れたようにツッコミを入れてきたけど
だって病院も薬も本当に嫌いで、普段体調悪い時はパパにバレないように細心の注意を払って仕事に行ってたし、帰ってきたら風呂に入って速攻寝るっていう方法でいつも逃げてきた。
まあ、たまにバレて失敗するんだけど。
「お願い、薬飲んだら下がるでしょ?」
最早拝むような気持ちで藤井くんを見つめると
「一世が薬だけの方が今日頑張れるなら
そうする…?」
「うーーん、そうだよな、
今日撮影だしなあ、
その前に嫌な目にあわせるのも可哀想だし…」
どうしよっか?なんて浮所と苦笑いしながら
相談してくれたから、困らせてることに反省したけどやっぱり、病院に行くとは言い出せなくて、
それも反省した。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時