うちの子は可愛い4 ページ20
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3人で川の字に布団をひいて、
しばらくは寝付けなかった一世も
冷えピタを貼ったことで安心したのか
あっさりと眠ってしまった。
「お揃いだってさ。」
浮所が低く笑いながら言う。
俺と浮所の額に貼られた冷えピタは
一世の悪戯心に隠れた
甘えたい気持ちに見えた。
「もうちょっと素直に甘えてくれてもよくない?」
一世の顔にかかってる前髪を
そっと払いながらそう言えば、
これでもいつもよりは素直だから仕方ないんだよな?と浮所が寝ている一世の頬をつついた。
「ちょっと一世がおきるでしょ、
浮所ってなんだかんだ一世に甘いからなあもう。
俺だって甘やかそうと思えばいくらだって、
あーあ。」
「ちょっとやそっとじゃ起きないよ、
この子俺が計らせた時点ですでに
38.3℃あったからね、
本当は結構辛いと思う。」
「うそ…今日のリハの時全然わかんなかった。
今回は龍我さまさまだね、
気付いてくれてよかった。」
「まあ結局龍我と金指の間で
どんなやり取りがあったのかいまだ謎だけどな。」
体温が高くて寝苦しいのか眉間に皺を寄せているのが可哀想で頭をポンポンとなでれば
寝顔も少し穏やかになった気がした。
「一世、お父さんの出張いつまでか言ってた?」
「いや、何も。こいつ把握してんのかな?
今日からだってことも忘れてたみたいだし。
飯とかどうすんの?学校は昼いつも何食べてんの?」
「ミステリアス金指だからなあ、
ハンバーグ食べさせとけば
ご機嫌には違いないけど。」
「さすがに人んちの冷蔵庫勝手に開けるのは気が引けるしな…。」
「浮所ってそういうとこちゃんとしてるよね。」
「他はちゃんとしてないみたいに言うな!」
金指は俺の事なんでも出来るすごい人って雑誌で言ってたんだぞ、なあ?言ったよな金指!と
浮所が懲りずに一世の寝顔に語りかける。
「とりあえず明日は昼過ぎから撮影だし、
それまでゆっくり一世と話すか…
熱が下がればいいけど…。」
「そうだな、一世早く治せよ。」
一世の寝顔を見つめるうちに
俺達もいつの間にか眠ってしまった。
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時