サイレント困ったちゃん6 ページ15
.
「えっ!藤井くん!」
金指はモニターを確認すると
びっくりしながらも
相も変わらずズルズルと
ブランケットを引きずりながら
藤井くんを迎えに行く。
熱があるんだから
大人しくしとけば?と
声をかけるか迷ったけれど
本人が自覚して余計にしどくなるのも
可哀想な気がして躊躇しているうちに
玄関が開く音がして藤井くんの声がした。
しっかり者の藤井くんも
さすがに状況を把握し切ってないのか
金指に色々尋ねているようだ。
「一世熱じゃないって言ってるよ?」
リビングについて早々
藤井くんが困った顔で俺を見る。
「そうそう、熱じゃないんだよな、
普通の人の体温より2℃くらい高いだけだよな。」
藤井くんの後ろに隠れるように立つ金指を
ジトっとした目で見たら
藤井くんの真後ろにますます隠れたけど
藤井くんの身長では
全く隠れられてないよ。
「2℃も高かったら熱だね一世。」
藤井くんが後ろを振り向くと
むくれた顔をした金指が出てきた。
「病は気からだからね。」
「お前はまだそれを言うか。」
「なに、それで熱を認めないわけこの人は。」
俺に軽口を叩く金指の首に
サッと手を当てた藤井くんは
俺にさり気なく目配せをした。
思うよりも熱が上がっていってるのかも。
「金指、今日はせっかく3人も集まったし
川の字で寝ようぜ。」
「あ、布団ひく?たぶんあるはず。
いつもそこからね、」
と、金指がとてとてクローゼットまで
行くもんだから慌てて
「俺ら急に来て泊めてもらうんだし
俺らがするよ。」
「一世これ飲みたかったら飲みな。」
と俺と藤井くんでクローゼットに向かった。
.
176人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時