サイレント困ったちゃん4 ページ13
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「金指ー?終わったー?」
廊下から声をかけながら
リビングに戻れば、
金指は水戸黄門の葵の紋よろしく
こちらに向かって体温計を差し出している。
「浮所、どう?熱ない?」
どうやら本当に
体温計を見たくないらしい。
「しゃーねーな、お前ほんと…。」
金指の代わりに体温計を覗き込めば
38.3℃の表示。
…まあまああるじゃん。
「どう?」
不安そうな目でこちらを見る金指が
なんだか可愛くて
「何?知りたいの?ほら、」
と体温計を金指の方にわざと向けると
バッと勢いよく後ろを向いたので
思わず笑ってしまった。
「病は気からでも、熱は気では下がんねえよ。」
「それ、あるって言ってるようなもんじゃん…。」
不満そうな目で睨まれたけど
熱があると分かれば
そんな生意気な顔も情けなく見える。
「金指もう風呂はいった?
明日は土曜だし学校ないよね?」
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凛(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2019年7月10日 14時) (レス) id: 8feaf83578 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:コズミックりんご | 作成日時:2019年7月9日 17時